なぜ? バッテリーを交換できるスマートフォンが減った2つの理由

スマートフォンを長く使うにあたって、多くの方が気にする点の1つがバッテリーの劣化だ。かつての携帯電話では多くの機種でバッテリー交換ができたが、現在ではほとんどが交換できなくなった理由について考察していていきたい。

 バッテリー交換できない背景には大きく分けて「スマートフォンの本体設計」と「非純正バッテリー使用による事故防止」が挙げられる。

スマホの高機能化が進むにつれ求められた「バッテリーの大容量化」
 スマートフォンのバッテリーにはリチウムポリマーが使用されている。リチウムイオンバッテリーの電解質をポリマーと呼ばれる半固体状態にすることで、より柔軟な形状のバッテリーを製造できるようになった。限られた本体スペース内のギリギリまでバッテリーを大きく作れることから、より大容量のものを搭載できるようになった。

 スマートフォンではバッテリーの容積は本体の大部分を占める。バッテリーを小型、薄型化できれば本体もより薄く軽量にできる。加えて大容量化できれば、さらに高性能な機能を追加することもできる。

非純正バッテリーを使用することで起きた事故も要因に
 内蔵バッテリーが増えているもう1つの要因が、非純正バッテリーによる事故だ。

 携帯電話でも、非純正バッテリーを使用することによる事故が起きている。安価なことが売りのこれらのバッテリーには保護回路などが入ってないものもあり、最悪の場合は過充電が原因で発火してしまうものもあった。

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査によると、2017年から2021年までに起きた、スマートフォンにおける非純正バッテリーの事故は5件だった。決して多いといえる件数ではないが、非純正バッテリーのリスクを裏付ける結果といえる。

 スマートフォンの黎明(れいめい)期ではバッテリー持ちがよくない機種も多く、モバイルバッテリーを当たり前のように使っていたユーザーも多いことだろう。今のような急速充電もなかった頃は、予備バッテリー用の充電器を使用して、複数のバッテリーを持ち歩くニーズもあった。

 また、純正よりもバッテリー容量を増強した互換バッテリーのニーズもあり、サムスン電子の「Galaxy」シリーズやソニー「Xperia」シリーズではよく見られた。

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