バッテリー切れから解放されるためには? スマホでやっておくべき設定

スマートフォンのバッテリー切れに襲われる。そんなピンチをだれもが迎えることだろう。どうすればそんな事態を防げるのかまとめた。

 昨今のスマートフォンは「リチウムイオンバッテリー」または「リチウムポリマーバッテリー」を採用したものが多い。いわゆる繰り返し充電に対応したもの。長時間の充電など、NG例は以前の記事でも伝えたが、こまめに充電して、バッテリーに負荷がかからない程度にしたい。

省電力モードなどを活用
 そこでまずオススメしたいのが、スマートフォンに備わる省電力モードや、エコモードに代表されるバッテリー消費を抑えながら起動できるモード。これはメーカーや機種によって定義や内容が異なるが、バッテリー消費を抑えるという点では共通している。

 iPhone(iOS 16.0)の場合は「設定」→「バッテリー」の順に押して、「低電力モード」をオンにする。このモードではiPhoneをフル充電にするまで、ダウンロードやメールなど、バックグラウンドでの動作を一時的に抑える。

 Xperia(1 IVやPRO-I)の場合は「設定」→「バッテリー」の順に押して、「STAMINAモードを使用」という項目をオンに切り替える。Xperiaでは「節電レベル」という項目が別途あり、電池持ちを優先するのか、バランス良く節電するのかを選べる。この節電レベルでは以下のような制限がかかる。

電池持ち優先→スクロールなど、操作全般の動作を制限。他にもデータ通信やメールなどの自動同期が一時的にストップする
バランス良く節電→データ通信ができない、もしくは自動同期ができない

Pixel(7、7 Pro)では「バッテリーセーバー」という項目が用意されており、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーセーバー」の順に設定する。これをオンに切り替えると、ダークモードが有効になり、バックグラウンドでの動作、一部の視覚効果などか一時的に制限される。

 Galaxy(S22 Ultra/S22/S21など)は「設定」→「バッテリーとデバイスケア」→「バッテリー」の順に押し、「省電力モード」をオンに切り替える。

ディスプレイなどの設定を見直す
 スマートフォンの電力消費で最も気になるのがディスプレイ。ディスプレイで何かしらの情報を見ているときには常に点灯しているからだ。ディスプレイの輝度を下げたり、ダークモードを活用したりするのも省電力につながる。

 機種によっては個別に設定する必要があるが、Galaxyの省電力モードの中にはディスプレイの輝度を下げる項目が用意されている。端末に触れなくても、ロック画面に通知を表示し、常に情報を確認できる「Always On Display」をオフにすることも可能だ。Galaxyのメーカーであるサムスン電子はディスプレイメーカーだけあって、こうした設定項目をしっかりと用意している。

 ディスプレイやバックグラウンドの更新について、一括で設定したくない場合、省電力モードだけに頼らず、個別にディスプレイの輝度を下げたり、スリープまでの時間を短くしたり、常時点灯をオフにしたりするといいだろう。

「ながら充電」や「100%のまま充電」はNG? スマホのバッテリー寿命を延ばす方法

スマートフォンを使う上で「どれだけバッテリーが長持ちするのか」は重要なポイントだ。バッテリーの持ちというと、「充電せずに連続でどれだけ使えるのか」に目が行きがちだが、今回着目するのは「バッテリーの寿命」。つまり、バッテリーを交換することなく、1台のスマホをどれだけ長く利用できるか、ということ。スマートフォンの機能が成熟し、買い換えサイクルが伸びつつある中、1台のスマートフォンはより長く使えることが望ましい。

 言うまでもなく、スマートフォンは繰り返し充電をしながら使うものだが、充電のタイミングや方法によってはバッテリーを劣化させる恐れがある。また充電をしないときでも、スマートフォンを使う環境によってはバッテリーに悪影響を及ぼす可能性もある。

 バッテリーがへたってきたら交換したいところだが、現行のスマートフォンはバッテリーを内蔵している機種が大半で、ユーザーが外して交換することはできない。バッテリーを交換するには修理に出す必要があり、保証サービスに加入していないと、1万円前後の修理費用がかかる。

 バッテリーに負荷の掛かる使い方をしたために、本来は必要のなかった手間や費用が発生する場合もあるのだ。少しでもバッテリーの寿命を長くするには、どんなことに注意すればいいのか。

iPhoneはフル充電サイクルを500回繰り返して80%まで維持
 そもそもスマートフォンのバッテリーはどれだけ持つのか。バッテリーは経年劣化するものなので、使うほどに寿命は縮まる。Appleのサポートページによると、iPhoneの場合はフル充電サイクルを500回繰り返しても、本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計されているという。フル充電サイクルでは、バッテリーを100%消費すると1回カウントされる。例えば75%を1日で消費し、充電した翌日に25%消費した時点で、1回のサイクルを完了したことになる。100%消費するペースが2日に1回程度だとしたら、2年9カ月ほど使っても80%を維持できる計算になる。

 機種によっては、現在のバッテリーの消耗具合を把握できるものがある。iPhoneの場合、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」に表示される「最大容量」がそれだ。購入時点では100%となっているが、使っていくうちに減少していく。

ちなみに、筆者は「iPhone 11 Pro Max」を1年10カ月ほど使っており、現時点でのバッテリーの状態は「86%」となっている。急激にバッテリー残量が減ることはないが、購入当初と比べ、少し減りやすくなってきたかなと感じている。

どのくらいの頻度、タイミングで充電すればいいのか
 では、バッテリーの寿命を延ばすには、どれくらいの頻度とタイミングで充電するのが望ましいのだろうか。

NTTドコモ バッテリーを使い切ってからの充電はバッテリーを劣化させる要因でもありますので、残量20%程度を目安に充電されることをオススメします。また、常に満充電状態であることも好ましくありませんので、満充電となる手前(残量80~90%目安)で充電停止することも有効です。端末によってはこれらバッテリー寿命を延ばす充電制御機能搭載の機種もございます。

KDDI 電池残量を100%にしておかないと不安に感じられるお客さまも多くいらっしゃいますが、「腹八分目」くらいに抑えていただくことが望ましく、また電池を使い切ってからの充電もバッテリーを劣化させる要因となるため、残量20%程度から充電開始し、80%程度にとどめることが理想的なご利用方法となります。スマートフォンにはバッテリー寿命を延ばすための機能が備わっている機種もございますので、それをお使いいただくこともオススメします。

ソフトバンク 充電しながらのスマホの使用や操作を避け、電池が100%の状態で充電し続けないことをオススメします。また、ある程度(20%)まで使ったら、満充電(100%)までいかない程度に充電することをオススメします。

スマホのバッテリーを交換せずに使い続けてはいけない理由

スマートフォンに入っているバッテリー。交換のタイミングについて知らない人が多いのではないだろうか。

 iPhoneのバッテリーは500回の充放電(充電サイクル)を繰り返したとしても、最大80%の容量を維持できるように設計されている。Appleのいう充電サイクルとは合計で100%になる充電を行った回数、もしくは合計で100%放電した回数のこと。過去の記事では例として以下の挙げている。

ある1日のうちにiPhoneのバッテリーを65%消費し、同じ日の夜に100%まで(減った65%分を)充電した
別の日には35%しか使わず、同じ日の夜に100%まで(減った35%分を)充電した
 この充電サイクルを500回繰り返したとしても、最大80%を維持できるということになる。ただし、これは永久的な利用を保証しているのではなく、一定期間はその容量を維持できる、というものだ。

 Androidの場合はメーカーや機種によって、バッテリーメニューの表示方法や内容が異なる。おおむねバッテリーの項目を見ればバッテリーが正常か異常かが分かるようになっている。

 バッテリーは使っていくうちに劣化が進む。そのまま使い続けると、発熱や発火につながる恐れがある。発熱している状態で放置し続けると、バッテリーの温度上昇やバッテリー膨張、発火につながり大変危険。だからこそ交換のタイミングを把握した上で、適切に交換したいところだ。

 iPhoneの場合、80%を下回ったら交換のタイミングということになる。Androidの場合は何%といった指標は示されていないが、1日1回充電することを考えると、使い始めてから2年後が交換タイミングとされている。

 そのバッテリー交換のタイミング、リチウムイオン電池だと300回の充電で、約7から8割ほどの容量になってしまう。500回なら5から7割ほど。ただ、自分で都度回数をカウントして、交換のタイミングをバッチリ当てるのは難しいはず。だからこそスマートフォンの設定項目から、バッテリーの劣化具合を確認するといい。

「スマホのバッテリー交換義務化」がユーザーにデメリットをもたらす理由

EU(欧州連合)は、スマートフォンなどに対する新たな規制として、「バッテリーを簡単に交換できる設計とすること」を可決した。これにより2027年までに同地域向けに出荷されるスマートフォンにはバッテリー交換が容易に行えることが義務化される。今回はその影響を解説したい。

スマートフォンのバッテリー交換が簡単でない理由
 そもそもなぜユーザーが簡単にバッテリーを交換できないスマートフォンが大半なのか。近年のスマートフォンにおいてバッテリー交換ができなくなっている背景には「技術的な進歩」「安全性や品質の確保」「不適切な修理の防止」がある。これに対して「バッテリー性能を上げても、交換不能にする必要はなかったのでは?」と考える人もいるだろう。このあたりについても説明しよう。

 技術的な進歩から見ていくと、スマートフォンの性能向上に伴ってバッテリー容量の増加は急務となっていた。その一方で、バッテリー容量を増加させると電池パックも大型化し、当時のトレンドであった「薄型化」を達成することは難しかった。

 そのため、メーカーとしては樹脂製の保護部を排除してバッテリーそのものを薄型化し、その分の容積を電池容量に割り当てることで大容量化を行った。近年の5000mAhを超える容量のバッテリーをあのサイズに抑え込むには、この方法が最も効率的だったのだ。

 これらの方法によってバッテリーの大容量化が行われた結果、近年の高性能なスマートフォンが生まれたのだ。それと引き換えにバッテリー交換はできなくなったものの、利便性の低下分は急速充電技術の進化で対応した。防水性能についても、バッテリーの接続端子や各種電源系統でのショートを防ぐ意味もあり、利便性を高める方向で採用が進んでいる。

 安全上の懸念は「非正規のバッテリー」が使用される恐れがあることだ。一般的にメーカー純正バッテリーは各種検証の他、近年では急速充電しても劣化しにくいといった最新技術が投入されている。破損対策も行われているため高コストになっている。

 特にバッテリーに強い衝撃がかかることで、内部構造が破損しショートしてしまう「内部短絡」への対策は強固に行われている。この対策として、バッテリーのセパレータ素材を工夫し、剛性を高めている。また、万一発熱しても「熱暴走による発火」という最悪の事態を回避するための対策も施されている。近年のスマホのバッテリーが強力な粘着テープなどで固定される背景も、落下などの衝撃による内部短絡を防ぐためだ。

 こうした対策が行われて純正品が高価になると、付け入るように安価な非正規品も多く出回ってくる。粗悪品は論外として、非正規品は安価ゆえに正規品のような「パーツレベルの事故対策」が行われていないことが多い。また、近年では独自の急速充電を備える機種も増えており、このような機種で非正規品を利用した場合は過充電や異常発熱の原因にもなる。

 「不適切な修理」もメーカーとしては悩ましい問題となっている。iPhoneなどの世界的にシェアの大きいスマートフォンでは誤った手順による修理や「DIY修理」と評される十分な知識を持たない素人の修理によって、製品の品質や安全性が著しく阻害される側面もある。近年ではYouTubeなどの動画サイトでも修理手順動画がアップロードされていること、ネット通販で各種パーツを購入できることから、以前に比べて修理する方法を知る術が増えている。

 問題は修理後の話だ。特に防水性能は品質面でも担保することが難しく、プロの専門業者に修理依頼しても一度本体を開封する関係で「新品のような防水性能は保証できない」としている例もある。修理のプロがこのような見解を示している以上、素人の修理が品質を担保できるとは思えない。そして、これらの不適切な修理をされた商品が中古などで出回ることも考えられる。購入者がこの情報を知らなければ、思わぬところで事故の原因にもなってしまうのだ。

 このような観点から、管理外で品質の劣るバッテリーが利用される可能性、知識を持たない素人が介入することをメーカーは排除したいのだ。発火事故などによる製品やブランドのイメージ低下を考えると、メーカー側のメリットはない。このため、品質確保や安全性の向上を目的として、スマートフォンのバッテリー交換はできなくなっているのだ。

 欧州の規制によって「バッテリー交換できる仕様」となることから、バッテリーについては上記のような品質面の問題をクリアできる可能性がある。バッテリー交換については不適切な修理はなくなる可能性があるものの、非正規品のバッテリーによる事故などの懸念は避けられない。

バッテリー交換可能にすると、スマホのイノベーションが阻害される?
 スマートフォンのバッテリー交換について、ここからはメーカーの立場で「イノベーションの阻害」について解説する。

「バッテリー交換不能にしたことは、メーカーに技術力がないからでは?」という声も多く聞くが、これはイノベーションから真っ向に背反するものになる。

 現在のスマートフォンに用いられるバッテリーは、樹脂製の保護部を廃したものになる。薄型に加工されていることもあり、人の力で簡単に曲がり、机から落としたり、鋭利なもので傷をつけたりすると、ショートしてしまう恐れもある。乾電池とは比にならないくらい危ないものなのだ。

 それなら、従来のように樹脂製の保護カバーで覆った「バッテリーパック」を採用すれば解決するが、今度は端末の設計に大きな制約が生まれてくる。例えば本体の薄型化や軽量化にも限界が生まれ、防水設計はもちろん、本体の冷却設計などにも不利になる。

 仮にも物理的に裏ぶたを開けられる設計とすれば、ガラス素材を使った高級感のある外観設計もできなくなり、側面からスライドさせる形態としても防水設計などには制約が生まれる。充電用のコイルの配置などから、ワイヤレス充電などの対応も難しくなる。

 例えばAppleは、ドイツのメディアに対し、今回の規制について「EUの規制は修理しやすくなるものの、防水性や品質の担保が難しくなり、製品寿命を延ばす意味では相反する」と回答している。

 加えて、本体容積に制約の大きい「折りたたみスマートフォン」は、近年の薄型化、大容量化したバッテリー製造技術があってこそ開発できた商品だ。これですら交換義務化となれば、利便性を損なうことにつながる。

 EUのこの規制は「イノベーションを阻害する」ことになり、昨今市場を賑わせるハイエンドスマートフォンや折りたたみのスマートフォンを製造することは困難になると考える。これらの選択肢を事実上排除してしまうことが「利用者のため」とは到底思えないのだ。

 規制が本格化すれば、EUでは魅力的な端末を展開することが非常に難しくなる。仮にも現在と同様の性能と利便性に加え、バッテリー交換を求めるとなれば、重量と本体の厚み増加は避けられない。各種保護装置の追加を含めたEU向けカスタマイズによって、端末価格の高騰も考えられる。

 現時点でバッテリー交換が可能なスマートフォンは一部の環境に配慮した商品、日本だと「TORQUE」のような業務用途も想定されるタフネス端末、あとは100ドル未満のかなり廉価な端末が中心となる。市場見てもかなりニッチな製品であることは変わりない。

発火・発熱など、モバイルバッテリーのトラブルの原因と対策を紹介

スマートフォンユーザーにとって便利なモバイルバッテリーですが、誤った使い方をすると発火や発熱といったトラブルにつながりかねません。
このようなトラブルに遭わないよう、モバイルバッテリーが発火する原因や、安全に使う方法をご紹介しましょう。

モバイルバッテリーが発火する原因とは?
モバイルバッテリーは、しばしば発火や爆発といった事故が起こります。発火の原因となっているのは、モバイルバッテリーに内蔵されたリチウムイオン電池です。このリチウムイオン電池にトラブルがあると発熱し、発火したり爆発したりしてしまうのです。
まずは、事故の元になるおもな原因を2つご紹介します。

バッテリーの劣化で起きる電解質の酸化
バッテリーである以上、発熱自体が起こるのは仕方のないことですが、発火や爆発に至る理由は何なのでしょう。これは、リチウムイオン電池が劣化したときに起きる「電解質の酸化」が原因のひとつとされています。
電解質が酸化するとガスが発生しますので、バッテリーが内部から膨張します。膨張だけでは発火や爆発に至らないといわれていますが、これに衝撃が加わったりすると事故につながるケースがあります。

モバイルバッテリーの品質の低さ
モバイルバッテリーは、れっきとした精密機械です。そのため、品質の低い部品が使われている安価なモバイルバッテリーでは、何が原因でトラブルになっても不思議ではありません。
特に重要なのが、電気を送る部分に配置された安全装置です。この安全装置は、スマートフォンへの充電中にモバイルバッテリーが発熱した場合、給電スピードを落として温度を制御する装置です。安価なモバイルバッテリーは、その安全装置がきちんと機能しないケースや、最悪の場合、安全装置そのものがついていない可能性があるのです。

モバイルバッテリーを安全に使うには
劣化したバッテリーや安価な製品が危険ということはわかりました。それでは、モバイルバッテリーを使う上で、具体的に何に気を付ければ良いのでしょうか。
続いては、モバイルバッテリーを安全に使う方法をご紹介しましょう。

PSEマークがついている製品を使う
前述したように、トラブルの原因のひとつが、安全基準を満たさない安価なモバイルバッテリーの存在です。モバイルバッテリーを購入する際は、PSEマークがついている製品を選びましょう。PSEマークがついているモバイルバッテリーは、電気用品安全法により安全性基準を満たしている電化製品であることを示しています。
現在は、PSEマークがついていないモバイルバッテリーは販売禁止ですが、以前に購入した製品や、人からもらったモバイルバッテリーの場合、念のため確認したほうが安全です。

熱対策を万全にする
バッテリーが熱を持つと、劣化の原因になります。ですから、モバイルバッテリーを使用したり、置いたりする際には、熱対策を万全にする必要があります。
モバイルバッテリーが熱を持ちやすいのは、スマートフォンへの充電時です。このとき、スマートフォンが未使用なら問題ありませんが、ゲームなどスマートフォンが発熱しやすいアプリを使いながら充電するのは避けましょう。
また、モバイルバッテリーを使っていないときでも、真夏の車内など高温になる場所に放置するのは危険ですので、絶対にしないようにしてください。

強い衝撃を与えない
モバイルバッテリーは精密機械ですから、できるだけ強い衝撃を与えないように注意しましょう。例えば落下させてしまう、お尻のポケットに入れたまま座って圧をかけてしまうなどです。
衝撃があれば必ず発火したり爆発したりするわけではありませんが、丁寧に使うに越したことはありません。

安全のためにもバッテリーの劣化を感じたら買い替えよう
発火や爆発の原因は、リチウムイオン電池の劣化や安全装置の不備にあります。充電スピードの遅延や異常な発熱、バッテリー部分の膨張など、バッテリーの劣化を感じたら、なるべく早く買い替えるほうが安全です。
いずれにせよ、劣化したバッテリーを無理に使い続けても、いいことはありません。安全面はもちろん、使い勝手も考えて、バッテリーの劣化を感じたら早めに新しいモバイルバッテリーに買い替えましょう

持ち運びに便利な軽量薄型のモバイルバッテリーを使うメリット

スマートフォンのバッテリー切れ対策に役立つモバイルバッテリー。モバイルバッテリーは持ち歩くアイテムですから、できるだけ軽くてかさばらない製品がおすすめです。しかし、小さいモバイルバッテリーは「出力電流が弱いのでは」「充電が遅いのでは」など、不安に思っている人もいるでしょう。
ここでは、薄型モバイルバッテリーを使うメリットや、エレコム製のおすすめ薄型モバイルバッテリーをご紹介します。

薄型モバイルバッテリーのメリットとは?
薄型でも、製品によっては十分な容量や供給電力があるモバイルバッテリーもあります。薄型のモバイルバッテリーを選ぶ際には、下記のようなメリットに注目すべきでしょう。

1 サイズが小さくて薄い
当たり前のことですが、薄型モバイルバッテリーのメリットは、サイズが小さくて薄いことです。スマートフォンと重ねてポケットに入れてもかさばらず、鞄に入れる際もスペースを取りません。スマートに持ち歩きたいなら、薄型モバイルバッテリーがベストでしょう。

2 本体が軽いので持ち運びが楽
薄型モバイルバッテリーは、必然的に本体の重量も軽くなります。モバイルバッテリーは外に持ち出して使う物ですから、軽いほうが持ち歩くときの負担がかかりません。もちろん、通常のモバイルバッテリーもそれほど重いわけではありませんが、毎日持ち歩くことが前提なら、できるだけ軽いに越したことはないのです。

モバイルバッテリーは薄型が便利
薄型のモバイルバッテリーには、多くのメリットがあります。一日に何回もスマートフォンを充電するような使い方をしなければ、薄型のモバイルバッテリーで十分まかなえるでしょう。
モバイルバッテリーを購入の際は、ぜひ薄型のモデルを検討してみてください。

モバイルバッテリーの正しい使い方は?充電方法や注意点を解説

差すだけでスマートフォンを充電してくれるモバイルバッテリー。簡単に使えるので、あまり意識したことはないかもしれませんが、モバイルバッテリーの寿命を延ばしたり、トラブルなく使ったりするためには、いくつか注意点があります。
ここでは、モバイルバッテリーの正しい使い方や、注意すべきポイントをご紹介しましょう。

モバイルバッテリーの正しい充電方法は?
モバイルバッテリーでスマートフォンに電力を供給する前に、まずはモバイルバッテリー自体を充電する必要があります。まずは、モバイルバッテリーの正しい充電方法について見ていきましょう。

ACアダプターで充電する場合
スタンダードなモバイルバッテリーの充電方法は、お手持ちのACアダプターにモバイルバッテリーをつなぎ、充電する方法です。その際には、必ず付属のACアダプターを使うようにしましょう。メーカーが安全面も考慮しているので、安心して利用できます。
また、毎日モバイルバッテリーを持ち歩かない人の場合、最後に使用した後にACアダプターにつなぎ、そのまま放置してしまう可能性があります。モバイルバッテリーは使用しなくても放電して電力を消費してしまいますから、ACアダプターにつないだままだと、満充電の状態が長く続くことで、バッテリーを劣化させてしまいます。充電が終わったら、必ずモバイルバッテリーからACアダプターを外しましょう。

パソコンから充電する場合
ACアダプターがなくても、USBなどの接続ケーブルを通して、モバイルバッテリーに充電することも可能です。しかし、あくまで可能というだけで、充電速度などを考えるとあまり効率は良くありません。旅行先や出張先で「家にACアダプターを忘れてきた」というような、緊急時の充電方法と考えるといいでしょう。

シガーソケットから充電する場合
車のシガーソケットにシガーチャージャーを挿入し、そのシガーチャージャーにケーブルをつないで、モバイルバッテリーを充電することも可能です。しかし、車を利用しているあいだに充電できる環境があるのなら、わざわざモバイルバッテリーを充電しなくても、直接スマートフォンをつないで充電するほうが早いでしょう。遠出をするときなど、スマートフォンが満充電されていて、かつモバイルバッテリーの残量が少ない場合は、シガーソケットから充電できるようにしておくと便利です。

充電したモバイルバッテリーは長期間放置しない
モバイルバッテリーは使用しなくても放電して電力を消費しています。そのため、いざ使おうとしたときに、バッテリー残量が残っていないということもありえます。定期的にバッテリー残量を確認し、減ってきたら再度充電するようにしましょう。

スマートフォンに充電する際の注意
モバイルバッテリーからスマートフォンに充電する場合、いくつか注意するべきポイントがあります。注意点を守らない場合、モバイルバッテリーが劣化しやすくなるだけでなく、発火などの事故も起きかねませんので注意しましょう。

バッテリー残量がゼロのまま過放電させない
バッテリー残量がゼロのまま放置すると、「過放電」が起きてバッテリーが劣化します。スマートフォンに充電する際は、できるだけモバイルバッテリー残量がゼロにならないように注意しましょう。できれば、何回もスマートフォンに充電できる大容量のモバイルバッテリーでも、バッテリー残量がゼロになる前に充電しておくのがおすすめです。

バッテリー残量がゼロのまま過放電させない
温度の高い場所に置かない
モバイルバッテリーなどに使われているリチウムイオンバッテリーの最高許容周囲温度は45℃程度です。そのため、「キャンプをしているときに焚き火のそばで充電する」といった行為は、絶対に避けてください。
また、充電していなくても、真夏に駐車している車に放置するのも危険です。モバイルバッテリーは、充電しているときも保管しているときも、熱くなる所に置くのは避けましょう。

温度の高い場所に置かない
スマートフォンを操作したまま充電しない
スマートフォンの使用中にバッテリーが切れかけて、急いでモバイルバッテリーに接続し、そのままスマートフォンを使い続けるケースもあるでしょう。しかし、スマートフォンを使用すれば少なからず熱を持ちますし、充電することでも熱が発生します。つまり、普段使うよりも余計に熱が発生することになるのです。
前述したように、バッテリーにとって熱は大敵ですから、充電しながらの操作は控えたほうが無難です。「電話中にバッテリーが切れそう」などの緊急時でなければ、基本的に充電中はスマートフォンをさわらないようにしましょう。

モバイルバッテリーは安全に使おう
モバイルバッテリーの使用方法には、いくつかの注意点があります。しかし、その注意点は、「放置しない」「熱に気を付ける」など、ごく一般的なものです。
モバイルバッテリーを安全に、本来の性能で使うためにも、使用ルールは必ず守るようにしましょう。

モバイルバッテリーで急速充電をしたいケース

スマートフォンのバッテリー切れ、もしくは残量が少ないときに行う充電。通常のモバイルバッテリーでも対応可能ですが、十分充電するにはある程度時間がかかってしまいます。そこで、緊急性が高い場合には、急速充電できるタイプが適しているといえます。

緊急性の高い状況としては、下記のようなものが考えられます。
同僚や友人と待ち合わせをしたが見つからない。スマートフォンがあれば連絡できるがバッテリーが切れている。
外出中、顧客から急いで資料を確認するように依頼されたが、テザリングするほどバッテリーが残っていない。
同僚のスマートフォンのバッテリーが切れており、充電させてくれと頼まれた。
旅先で道に迷ったが、スマートフォンのバッテリーが切れ、Google マップなどの地図検索機能が使えない。
ソーシャルゲームで新しいイベントが始まるが、バッテリーが切れかけているのでプレイできない。

急速充電可能なモバイルバッテリーを選ぶ5つのポイント
上記の状況を見て「ありそう」と思った方は、急速充電が可能なモバイルバッテリーを用意すべきでしょう。店頭などにはパッケージに「急速充電可能」の文字が記載されているモバイルバッテリーが販売されていますが、そういった商品ならどれでもいいかというと、そうではありません。
ここでは、急速充電可能なモバイルバッテリーを購入する際に確認すべきポイントを5つご紹介します。

1 使用しているスマートフォンに必要な電力(ワット)を確認
端末によって急速充電に必要なバッテリーのパワーは異なります。例えば、18Wで充電できるモバイルバッテリーを購入しても、スマートフォン側が18Wでは急速充電ができないケースや、それ以上の速度で充電できるスマートフォンにとっては18Wでも遅いといったケースがあります。そのため、急速充電したいスマートフォンには、何ワット(W)の電力供給が必要なのかを確認しましょう。

2 モバイルバッテリーの電流(アンペア)を確認
急速充電するために必要な電力がわかったら、対応している商品を見つけます。この際に合わせて確認したいのが電流のアンペア数です。アンペア数が高いほど、早く充電できます。また、スマートフォンの機種によって、「急速充電するためには最低2A以上の電流が必要」などの条件もあるので注意が必要です。

3 モバイルバッテリーの急速充電規格を確認
スマートフォンでよく使われる急速充電の規格に、「Quick Charge」があります。Quick ChargeはQualcommが開発した規格で、スマートフォンには18Wの電力で急速充電できるバージョン2.0や3.0が採用されています。対応しているスマートフォンはAndroid搭載が主流です。
ほかに、パソコンでおなじみのUSB Type-Cを使った「USB Power Delivery」があり、最大100Wの給電が可能です。これは、iPhoneやAndroidに採用されており、スマートフォンのほかノートパソコンなどにも使えます。お使いのスマートフォンで急速充電に対応した規格を確認し、対応しているモバイルバッテリーを選びましょう。

4 充電したい端末数に合わせてポート数を確認
スマートフォンだけ、携帯ゲーム機だけなど、単体で端末を充電するだけでなく、家族や友人のものなど複数の端末を同時に充電したい場合には、モバイルバッテリーの持つポート数を確認してください。
ただし、ポート数も、数があればいいというわけではありません。明示されている電力量が合計出力の場合、2つ同時に使えば半分の電力しか供給されない商品もありますのでご注意ください。

5 使用するケーブルの種類を確認
最後に確認しておきたいのが、モバイルバッテリーと端末を接続するケーブルです。例えば、USB Power Deliveryを利用するなら、USB Power Deliveryに対応したUSB Type-Cケーブルを使う必要があります。
モバイルバッテリー購入後、ケーブルがないばかりに充電できないことがないよう、きちんと確認しておきましょう。

必要な機能を満たしたモバイルバッテリーを選ぼう
急速充電可能なモバイルバッテリーは、単にパッケージに「急速充電可能」と記載されたものではなく、充電したい端末の規格や使い方を踏まえて選ぶ必要があります。
自身の目的や状況に応じて、必要な機能を満たしたモバイルバッテリーを選択してください。

携帯のバッテリー切れに備える適切なモバイルバッテリーの選び方 モバイルバッテリーとは?

モバイルバッテリーとは?
モバイルバッテリーは、名前が示すとおり「携帯」できる「電源」となります。モバイルバッテリーの用途としてまず思い浮かぶのは、スマートフォンを充電するシーンかもしれません。ですが、モバイルバッテリーで充電できるのはスマートフォンだけではなく、タブレットや無線LANルーター、携帯ゲーム機など多岐にわたります。
そのため、充電の機会が少なくなる旅行や出張はもちろん、通勤・通学などの外出時に持ち歩く方もいます。バッテリー切れすることは、さほどないように思えますが、充電のし忘れやケーブルの接続ミス、ゲームなどで長時間使う場合の電力消費と、バッテリー切れに陥る要因は少なくありません。
また、スマートフォンへの依存度が低い方でも、地震や台風といった災害時の充電に役立ちますので、1台持っていると、いざというときに安心です。

ケース別・モバイルバッテリーの選び方
災害時の非常用電源としても有効なモバイルバッテリーは、一家に1台、または一人1台あっても良いでしょう。モバイルバッテリーは、コンビニでも販売されていますので、今では気軽に入手することが可能です。ですが、実際に使うことを考えれば、安易に購入するのではなく、自分に最適なモバイルバッテリーを購入したいものです。
では、実際にモバイルバッテリーを購入する際は、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。ここでは、モバイルバッテリーの選び方をケースごとにご紹介します。

長持ちさせたい場合:容量で選ぶ
バッテリー容量が大きければ何回でも充電できますし、場合によっては知人のスマートフォンも充電してあげることもできます。特に、災害時の非常用電源として使うのが一番の目的であれば、大容量のモバイルバッテリーを選ぶべきでしょう。
モバイルバッテリーの容量は「mAh(ミリアンペアアワー)」で、1時間に流せる電気の量を示しています。ですが、バッテリーや乾電池などの場合、容量を表す単位として使われます。
例えば、モバイルバッテリーの容量が5,000mAhで、スマートフォンの容量が2,500mAhであれば、2回スマートフォンを充電することができる計算になります。
ですから、所有しているスマートフォンのバッテリー容量と、1日に充電したい、またはするかもしれない回数分の充電に対応できるモバイルバッテリーを選ぶといいでしょう。

早く充電したい場合:急速充電対応できる機種を選ぶ
モバイルバッテリーの出力電力は「W(ワット)」で表記されており、この数字が大きいほど早く充電できます。ただし、本当に早く充電したいのであれば、「USB Power Delivery」「Quick Charge」といった「急速充電」の規格に対応した機種を選ぶといいでしょう。
特にUSB Power Deliveryは、スマートフォンだけでなくノートPCも充電できます。専用のケーブルなどが必要になりますが、使い勝手の良いおすすめの規格です。

毎日持ち歩く場合:サイズで選ぶ
常用するにせよ、非常時用にするにせよ、モバイルバッテリーを持ち歩く以上、サイズも重要な要素のひとつになります。基本的にモバイルバッテリーは小さく作られていますが、鞄が小さい場合には、その大きさや厚みから、ほかに入れたい物に影響が出ることもあるでしょう。
モバイルバッテリーは、基本的に大きさ=容量に比例しますので、単純に小さい物を選ぶのではなく、必要な容量で持ち歩きに不便のないサイズを選びましょう。

個々の目的を重視する:機能で選ぶ
人によって、モバイルバッテリーに求める機能は異なります。例えば、一度に複数のスマートフォンや機材を充電したい場合は、出力ポートの多い機種を選ぶ必要があります。
また、本格的に災害に備えるなら、ソーラーパネルで充電できるモバイルバッテリーが最適でしょう。ほかにも、ワイヤレスで充電できるモバイルバッテリーもありますので、必要な機能に応じて適切な商品を選びましょう。

モバイルバッテリーの購入は価格だけに縛られない
一口にモバイルバッテリーといっても、その種類はさまざまです。購入時には、必要な機能や性能、サイズなどを見極める必要があります。また、安いモバイルバッテリーは、時に爆発といった事故が起きる可能性もあります。
そこで、モバイルバッテリーを購入する際は、PSEマークの有無を確認しましょう。日本国内では、2019年2月1日よりPSEマークのないモバイルバッテリーを販売できませんが、過去に流通した物が残っていないとは限りません。
エレコムの製品は、きちんと基準をクリアしたモバイルバッテリーがそろっています。価格に振り回されることなく、安全や機能面をしっかりと見極めた上でモバイルバッテリーを選択してください。

スマホの寿命を延ばす 知って納得、バッテリーの謎

普段何気なく充電しているノートパソコンやスマートフォン。実はちょっとした知識や工夫で、充電時間を短縮したり、寿命を延ばしたりできることをご存じだろうか。新しい充電規格も登場、これまでの常識が通用しなくなってきている。最新事情を踏まえつつ、2回に分けてバッテリーと充電の疑問にお答えする。

Q.最近バッテリーの持ちが悪くなった
IT機器に搭載するバッテリーは充電すれば繰り返し使えるが、消耗品の側面もある。古くなると、満充電しても新品のころのように長く使えなくなるのは誰しも実感することだろう。ノートパソコンやスマホに採用されているバッテリーはリチウムイオン電池だが、徐々に容量は減っていく。
一般に500回ぐらい充放電すれば容量が半分程度になると考えておこう。NTTドコモと九州大学が共同研究した「移動端末用リチウムイオン電池の容量劣化特性」によれば、充放電を繰り返すと緩やかに容量が減少し、約600回を超えたあたりで急激に劣化が進むことが見て取れる。
リチウムイオン電池は、電池内部でイオンが移動することで充電と放電を行う仕組みだが、これを繰り返すうちに移動できるイオンの量が減ってしまうのが劣化の原因。ちなみにノートパソコンやスマホでは、現在のバッテリーの劣化度合いを確認できるようになっている。
ウィンドウズ10では、「Windows」キーを押しながら「R」キーを押すと「ファイル名を指定して実行」画面が現れるので、半角アルファベットで「cmd 」と入力し、「Enter 」キーを押す(1)。コマンドプロンプトの画面が現れたら、「powercfg /batteryreport 」と入力して「Enter 」キーを押す(2)。「…保存されました」と表示されたらOKだ

Q.「継ぎ足し」充電が悪いって本当?
現在主流のリチウムイオン電池は、完全に使い切っていない状態で充電する、いわゆる「継ぎ足し」をしても問題はない。継ぎ足し充電が良くないというのは、リチウムイオンより前に普及していたニッケルカドミウム(ニカド)電池やニッケル水素電池の知識だ。継ぎ足し充電を繰り返すと、電池に残量があっても電圧だけ低くなり、電子機器が「残量がない」と誤判断してしまう現象で、「メモリー効果」と呼ばれる。リチウムイオンではこの効果は起こりにくい。
そもそもバッテリーは、使い切ってから充電するというケースは少ないので継ぎ足し充電が当然だ。そのため電池性能を測る際は、単純な充電回数ではなく、一般に100%分の充電と放電を1サイクルとして計算しているので安心してほしい。
ただ、充電の頻度が多いほどバッテリーの劣化を早めるという研究結果もある。容量があまり減っていないのに頻繁に充電するのは避けたほうがよい。
Q.バッテリーの寿命を延ばすことはできない?
前ページで解説したように、リチウムイオン電池は、充放電を繰り返すたびに、化学変化によって劣化する。これを「サイクル劣化」と呼ぶ。使わなくてもある程度は劣化し、これを「保存劣化」と呼ぶ。
保存劣化はバッテリーの充電量が100%や逆に0%の状態では進みが速い。さらに高温も大敵だ。モバイルバッテリーなどを手掛けるアンカー・ジャパンでは、約27度を超えると劣化が始まると警告する。
以上を踏まえて、下図のような対策で寿命を延ばせる。ノートパソコンやスマホの一部では「いたわり充電」などと呼ばれる、満充電の手前で止めたり、満充電の状態が短くなる機能が盛り込まれている。
とはいえ、バッテリーをいたわりすぎて使いにくくなっては本末転倒。必要な場合は100%充電をためらわず、0%まで使い切ってよい。これがバッテリー本来の用途だ。
高温対策も重要。温度が上がりがちな自動車の車内に放置しないのは当然だが、暖房器具の前を避けるなど置き場所にも気を配りたい。ノートパソコンの場合は通気口を塞がないのが鉄則。さらに、ソファや布団の上は熱がこもりやすいので要注意だ。キーボード面からも放熱するので書類などを置いて妨げないようにしたい。
スマホの場合、フルセグの視聴や3Dのゲームなど負荷が高い作業では、発熱が目立つ機種もある。同時に充電するとスマホがさらに熱くなってしまうので、温度が気になったら負荷の高い作業か、充電のどちらか一方を止めるのがお勧めだ。

Q.バッテリー駆動時間が当てにならない
バッテリーで動作するのはノートパソコンやスマホに限らず、ゲーム機やブルートゥースイヤホンなど幅広い。大半の製品はバッテリー駆動時間が公表されているが、一部を除いてメーカー独自の基準で測定している。基本的に駆動時間に有利な条件で測定しているため、実用上は公称値に満たない場合が多い。異なるメーカー同士の製品も比較しにくくなっている。
業界の測定基準があるのはノートパソコンやデジカメくらいだ。スマホの動作時間も実際との乖離(かいり)が大きい。NTTドコモが是正に動いており、2013年にはユーザーの平均的な利用動向に近づけた「実使用時間」を採用。16年夏以降には、KDDIと共同で設定した基準で測定している。