急速充電ができるモバイルバッテリーの注意点



今やスマートフォンは、ビジネスやプライベートでなくてはならない存在です。ですが、電化製品はバッテリーが切れてしまっては使用することができません。一人で使っているときならまだしも、ビジネスシーンや緊急時であれば、大きなトラブルにつながることも考えられます。そんなときに便利なのが、急速充電が可能なモバイルバッテリーです。
ここでは、急速充電に対応したモバイルバッテリーの購入時に、気をつけたいことをご紹介します。

モバイルバッテリーで急速充電をしたいケース
スマートフォンのバッテリー切れ、もしくは残量が少ないときに行う充電。通常のモバイルバッテリーでも対応可能ですが、十分充電するにはある程度時間がかかってしまいます。そこで、緊急性が高い場合には、急速充電できるタイプが適しているといえます。

緊急性の高い状況としては、下記のようなものが考えられます。

同僚や友人と待ち合わせをしたが見つからない。スマートフォンがあれば連絡できるがバッテリーが切れている。
外出中、顧客から急いで資料を確認するように依頼されたが、テザリングするほどバッテリーが残っていない。
同僚のスマートフォンのバッテリーが切れており、充電させてくれと頼まれた。
旅先で道に迷ったが、スマートフォンのバッテリーが切れ、Google マップなどの地図検索機能が使えない。
ソーシャルゲームで新しいイベントが始まるが、バッテリーが切れかけているのでプレイできない。

急速充電可能なモバイルバッテリーを選ぶ5つのポイント
上記の状況を見て「ありそう」と思った方は、急速充電が可能なモバイルバッテリーを用意すべきでしょう。店頭などにはパッケージに「急速充電可能」の文字が記載されているモバイルバッテリーが販売されていますが、そういった商品ならどれでもいいかというと、そうではありません。
ここでは、急速充電可能なモバイルバッテリーを購入する際に確認すべきポイントを5つご紹介します。

1 使用しているスマートフォンに必要な電力(ワット)を確認
端末によって急速充電に必要なバッテリーのパワーは異なります。例えば、18Wで充電できるモバイルバッテリーを購入しても、スマートフォン側が18Wでは急速充電ができないケースや、それ以上の速度で充電できるスマートフォンにとっては18Wでも遅いといったケースがあります。そのため、急速充電したいスマートフォンには、何ワット(W)の電力供給が必要なのかを確認しましょう。

2 モバイルバッテリーの電流(アンペア)を確認
急速充電するために必要な電力がわかったら、対応している商品を見つけます。この際に合わせて確認したいのが電流のアンペア数です。アンペア数が高いほど、早く充電できます。また、スマートフォンの機種によって、「急速充電するためには最低2A以上の電流が必要」などの条件もあるので注意が必要です。

3 モバイルバッテリーの急速充電規格を確認
スマートフォンでよく使われる急速充電の規格に、「Quick Charge」があります。Quick ChargeはQualcommが開発した規格で、スマートフォンには18Wの電力で急速充電できるバージョン2.0や3.0が採用されています。対応しているスマートフォンはAndroid搭載が主流です。
ほかに、パソコンでおなじみのUSB Type-Cを使った「USB Power Delivery」があり、最大100Wの給電が可能です。これは、iPhoneやAndroidに採用されており、スマートフォンのほかノートパソコンなどにも使えます。お使いのスマートフォンで急速充電に対応した規格を確認し、対応しているモバイルバッテリーを選びましょう。

4 充電したい端末数に合わせてポート数を確認
スマートフォンだけ、携帯ゲーム機だけなど、単体で端末を充電するだけでなく、家族や友人のものなど複数の端末を同時に充電したい場合には、モバイルバッテリーの持つポート数を確認してください。
ただし、ポート数も、数があればいいというわけではありません。明示されている電力量が合計出力の場合、2つ同時に使えば半分の電力しか供給されない商品もありますのでご注意ください。

5 使用するケーブルの種類を確認
最後に確認しておきたいのが、モバイルバッテリーと端末を接続するケーブルです。例えば、USB Power Deliveryを利用するなら、USB Power Deliveryに対応したUSB Type-Cケーブルを使う必要があります。
モバイルバッテリー購入後、ケーブルがないばかりに充電できないことがないよう、きちんと確認しておきましょう。

必要な機能を満たしたモバイルバッテリーを選ぼう
急速充電可能なモバイルバッテリーは、単にパッケージに「急速充電可能」と記載されたものではなく、充電したい端末の規格や使い方を踏まえて選ぶ必要があります。
自身の目的や状況に応じて、必要な機能を満たしたモバイルバッテリーを選択してください。



Dimensity 9300搭載機は要注意?ストレステスト開始わずか2分で大幅スロットリングとの報告

Mediatekが先日正式発表をした最新フラッグシップ向けチップセット「Dimensity 9300」。

そしてこのチップセットを世界初搭載してリリースされるのがVivoの最新ハイエンドモデル「 vivo X100 Pro」です。

しかし今回、このDimensity 9300搭載のvivo X100 Proがストレステストにおいて異常とも言えるアグレッシブなCPUスロットリングをすることが報告されていました。

今回の情報によると、VI子X100 ProはCPUスロットリング・テストでにおいて、開始後わずか2分で性能の46%までスロットダウンしたとのこと。

8コア・プロセッサは、この際、4つのコアは1.2GHzに、3つは1.5GHzに、そして1つはわずか0.6GHzに低下した模様で、かなりきついスロットリングが効いていた模様。

なお、この件につて報じているGSMArenaによると、Snapdragon 8 Gen 2搭載機では通常、スロットリングテストを10分程度続けてもスロットリング率は10%くらいとのこと。

このことからしても、Dimensity 9300自体がかなり発熱に弱いチップセットである可能性が高そうです。

Dimensity 9300はSnapdragon 8 Gen 3と同等、一部ではそれ以上の性能とも言われている一方で、コアのアーキテクチャが1×3.25GHz Cortex-X4、3×2.85GHz Cortex-X4、4×2.0GHz Cortex-A720となっており、リリース前から高効率コア非搭載による発熱や電力効率に関する懸念の声が上がっていたのも事実です。

同チップを搭載した機種は、今後日本でもリリースされる可能性が十分にあります。(Xiaomi 14T Proとか、でしょうか。。。)

よって、今後、このDimensity 9300を搭載した他機種でも同様の問題が報告されるようであれば、少し注意が必要になりそうです。

AQUOS sense8の売上、発売わずか2週間で約5ヵ月前リリースのXperia 10 Vを超えた模様

シャープのSD6Gen1搭載の最新ミッドレンジモデル、AQUOS sense8。

先日、シャープ公式ストアでも完売状態になるほどの人気、という件についてお伝えしました。

そして今回、このAQUOS sense8の売上が発売2週間ほどですでにライバル機種のXperia 10 Vを宇和待っている可能性が浮上しました。

以下は11月23日時点での価格.comにおけるAQUOS sense8およびXperia 10 Vのレビュー。

AQUOS sense8↓

Xperia 10 V↓

今回、レビュー評価そのものには当て触れませんが、注目していただきたいのは各モデルの「レビュー数」。

発売2週間のAQUOS sense8のレビュー数が20件なのに対し、発売から5か月近く経つXperia 10 Vのレビュー数はわずか14件。

もちろん、レビュー数の比率が売上台数の売上を正確に表しているとは限りません。

ただ、大まかな目安にはなるはずで、このAQUOS sense8がわずか発売2週間で5か月近く前にリリースされたXperia 10 Vのレビュー数を超えたというのは、確実に勢いの違いを表しているといってよいと思います。

これ、もちろんAQUOS sense8が単に人気というだけでなく、Xperia 10 Vの異常な不人気によるところも非常に大きく、発売から5か月も経ってここまでレビュー数が少ないというXperiaは過去モデルでは前例がありません。

Xperia 10シリーズとAQUOS senseシリーズと言えば、国内での「ハイエンド不況」以来、お互いに主力機種として競ってきた存在でした。

だいぶ前に国内シェアでAQUOSに抜かれたXperiaですが、今年以降はさらに差が開きそうですね。

スマホのバッテリー劣化の指標「充電サイクル500回」って結局どういうこと?

バッテリーが劣化するから、スマホの利用限度は2年程度」――こんな話を聞いたことはありませんか。これは、スマホの「充電サイクル」と「500回」という2つのワードが組み合わさって生まれた“通説”です。

 充電サイクルや使用回数、充電回数が500回であるということは、多くのモバイルバッテリー(スマホ内蔵バッテリー同様リチウムイオン電池を使用)の商品紹介サイトで説明されています。また、iPhoneを製造するAppleも公式サイトで「500回」という1つの指標を掲載しています。

 それでは、この「充電サイクル」とは何をカウントしているサイクルなのでしょうか。500回を超えてもバッテリーが劣化しないような使い方はあるのでしょうか。

電源に挿すことでカウントされない回数
 「充電サイクル」「充電回数」と聞いて、すぐに思い浮かべるのが、「充電した回数」つまり、電源に接続した回数です。例えば、以下のような考え方です。

スマホのバッテリー残量が50%程度になってしまったので、電源に接続した→1回
コンビニに出掛けるため、いったん電源から外し、帰宅してまた電源に接続した→1回
ゲームしやすいように電源から外し、イベントが終わったのでまた接続した→1回
 このような数え方をしていては、あっという間に上限の500に到達します。これでは、「今、つなげたばかりなんだから、抜かないでよ」と言いたくなってしまうのもやむを得ません。

 しかし、先ほどのAppleのサイトをもう一度よく読んでみると「フル充電サイクル」という表現を使っているのが分かります。なお、AppleがiPhoneバッテリーについて説明した別のページでは、「充電サイクル」という言葉で説明しているため、両者は同じだと考えられます。

 このフル充電サイクルまたは充電サイクルとは、合計で100%になる充電を行った回数または合計で100%放電させた回数のこと。

 例えば、1日目にiPhoneのバッテリーを65%消費し、その夜に充電を行って100%まで回復させました(65%を充電した)。2日目には35%しか使わず、その夜にまた100%まで充電させました(35%を充電した)。電源に接続した回数が2回ですし、100%まで充電した回数も2回ですが、充電(または放電した)した量の“合計”が100%になった、この2日間で1サイクルとしてカウントされたというわけです。

 なお、Appleでは、この充電サイクルを500回繰り返したとしてもiPhoneバッテリーの「本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計」しているとしています。これを下回るほど劣化しているのであれば買い替えを検討、もしくはバッテリー交換をした方がいいよいようです。

 というのも、内蔵バッテリーの劣化が著しいと、必要とする電力を供給しない可能性が生じ、その結果、部品保護のためiPhoneが強制的にシャットダウンし得るからです。使いたいときに使えないのであれば、元も子もありません。

スマホ内蔵のバッテリーを長持ちさせるためにできること
 スマホに搭載されているバッテリーも、モバイルバッテリーも、リチウムイオン電池を採用しているので、取り扱い方法や注意点にも共通点があります。

 例えば、モバイルバッテリーの多くは、本体を充電しながら給電しない(パススルー充電をしない)ように注意喚起されています。同じように、スマホも使いながらの充電は、バッテリーの劣化を早めてしまいます。「バッテリー残量が100%になっていないと!」と、つい考えてしまう筆者もやりがちなのですが、電源に接続した状態でスマホを利用するのは避けたいところです。使うときは使う、充電するときは充電する、とメリハリをつけた使いかたをしましょう。

 また、完全に放電、つまり0%になるまで使ってしまうと、これもまた劣化の原因となります。20%、あるいは機器によっては使用中に警告の出る15%まで残量が減ったところで、電源に接続するようにしましょう。

 さらに、ながら充電をしないことに似ていますが、常に100%になるまで充電するのではなく、80%程度になったところで電源から外すことも推奨されています。直射日光にさらされる場所、高温下や低温下に置くこともバッテリーの劣化を早める原因となってしまいます。

Android 14に相当ヤバいバグ!ロックアウトや再起動ループ、勝手に初期化が発生

Googleの最新OS、Android 14。

すでにPixel 6以降のスマホ、タブレットに提供が開始されて1か月近くが経過しており、全体的な評価は上々。
これまではそれほど深刻な不具合・バグなどの報告はありませんでした。

しかし今回、Android 14アップデート後のPixelを特定条件下で使用する際に発生する、かなり「致命的」とも言えるレベルの重大なバグが発見された模様です。

テクノロジー関係のメディアでは非常に信頼性の高いars Techinicaが伝えたもので、これによると、Android 14へアップデートをしたPixel 6シリーズやPixel 7シリーズ、Pixel Tablet、Pixel Foldで、複数プロファイルを設定していると、ユーザーがデバイスのストレージからロックアウトされ、デバイスが「使えなくなる」というもの。

この問題は当初、Pixel 6シリーズのみで発生していると言われていましたが、その後被害報告が拡大。他のシリーズでも広範囲に発生していることが明らかになってきたようです。

Androidのユーザー・プロファイル・システムは、1つのデバイスで複数のユーザーを使用することができたり、また、「ホーム」と「仕事」のプロファイルを分割することで、重複するアプリを介して、仕事のデータと個人的なデータを分けて管理することができます。

しかし、今回のバグでは一つの端末に複数のプロファイルを設定して使っている場合に、特定のプロファイルのデータストレージにアクセスできなくなり、その結果、端末が再起動ループを繰り返したり、さまざまなエラーメッセージが表示、場合によっては端末が完全に工場出荷状態に初期化される例も発生している模様です。

そのため、同サイトでは複数プロファイル設定をしたPixel端末を使用している場合はできるだけ早くバックアップを取ることを勧めています。

また、同サイトによると、Googleは通常、OSにここまで深刻なバグが見つかった場合はすぐにでもOSアップデートのロールアウトを停止するそうですが、今回それがされなかったことに疑問を呈しています。

一方、同サイトによると、GoogleのIssue Trackerと見る限りではまだGoogle側もこの問題を認識しておらず、修正に向けた対処は開始すらしていないとのこと。

よって、現時点ではこのバグが次回以降のアップデートで修正される見込みはないということに。

複数のプロファイルで端末を使用しているPixelユーザーというのはそれほど多くはないと思いますが、被害を考えるとこれは相当深刻な不具合と言えます。

同条件でPixelを使用している方は複数プロファイルの使用自体をしばらくやめるか、データのバックアップを早急に取ることをおすすめします。

なお、この不具合がPixel限定で発生するものなのか、他メーカーのモデルでもAndroid 14アップデート後に発生するものなのかは不明。
後者だとバグの深刻さからすると、アップデートの提供時期がずれ込む可能性すらありそうです。

Androidスマホでバッテリーの消費を抑える方法

外出時はスマホを触ることも多く、位置情報の利用も行っているとバッテリーを消耗しやすい。今回はAndroid端末でバッテリーの減少を抑える方法を紹介する。

 なお本稿はAndroid 13を搭載した「Google Pixel 7 Pro」を使用して検証している。端末やOSによって利用できない機能がある他、操作方法も異なる場合がある。

 設定は「設定」アプリの「バッテリー」→「バッテリーセーバー」から行う。これを有効化すれば、アプリや機能の利用を制限したり、ダークモードを有効化したりすることでバッテリーの消耗を抑える。ただし電話やメッセージ、時計、設定といった必須アプリが無効化されることはない。

 バッテリーセーバーは画面を上から下に2回スワイプして表示できる「クイック設定」からも有効化できる。この他「何時になったら」「バッテリーがここまで低下したら」などのスケジューリングも可能だ。また通常のバッテリーセーバーを超える「スーパーバッテリーセーバー」を設定すると、さらに多くの通知などをブロックし、バッテリーの消耗をさらに抑えられるという。

Android 12アプデ後にアプリが落ちる不具合の原因と対処法

国内でもかなりアップデート済みの機種が増えてきていますが、それと比例して増えているのがアプリ落ちの報告。

XperiaXiaomiGalaxyAQUOSなどの複数の機種、そして複数のアプリで報告が上がっています。

OSアップデートにこの手のトラブルは付き物、とも言えますが、どうも報告を見ているとAndroid 12に対応しているはずのアプリやネイティブアプリなどでも発生している模様。

というわけで今回はAndroid 12アップデート後にアプリが落ちる・強制終了をしているという方におすすめの「とりあえず」の対象方をご紹介します。

Android 12アプデでアプリが落ちるようになった場合の対処法
このAndroid 12アプデ後のアプリ落ち問題、多くのケースで「Webview」の古いバージョンが原因となっていることが多い模様。

よって、マニュアルでWebview(正式名称は「AndroidシステムのWebview」)を最新のものにアップデートすることでアプリ落ちが改善する可能性が高いです。

Google Playストアアプリを開く
画面上の検索欄に「Webview」と入力
「AndroidシステムのWebview」を選び「更新」をする

なお、Playストアの設定内になるアプリの自動更新が「Wi-Fi経由のみ」でほとんどデータ通信のみ、という方や「アプリを自動更新しない」になっているとこのWebviewが古いバージョンのまま、というケースが多いようです。
Android 12にアップデートをしたら一度確認しておきましょう。

Webviewの初期化で効果がある場合も
一方、このWebviewがらみの不具合が厄介なのは逆に最新のWeviewのバージョンが不具合の原因となっていることもあるという点。

すでにWebviewが最新なのにもかかわらずアプリ落ちが発生している場合やアップデートしたのにも問題が発生している場合は逆に以下の方法でWebviewの初期化をお勧めします。

Google Playストアアプリを開く
画面上の検索欄に「Webview」と入力
「AndroidシステムのWebview」を選び「アンインストール」をする
ちなみにここでいう「アンインストール」はあくまで過去のアップデートのアンインストールで、アプリ自体がアンインストールされるわけではありません。

なお、これは今回のAndroid 12に限ったことではありませんが、アプリ側が最新OSに未対応だったり、一応対応していてもバグがあるといったケースも多々あります。

この場合は今回紹介した方法では対処できず、アプリ側の対応を待つしかないというケースがあることはあらかじめご了承ください。

街のiPhone修理業者でバッテリーを交換する際の注意点

最近よく街で見かけるようになった「iPhone修理」「壊れたiPhone修理します」といった看板。いわゆる街の修理屋さんだ。具体的にはバッテリー交換の他に画面割れといった項目がサービスの内容となっている。中には即日修理とうたう店もあり、ユーザーからすればすぐに壊れたiPhoneを直してくれるのは魅力的だが、いくつか注意点があるので紹介する。

本当に法律に触れないの?
 まずは法律の問題だ。

 それは技適。技適は技術基準適合証明ともいわれるもので、この認可をスマートフォンをはじめとする通信機器メーカーが認可を取り、いわゆる“技適マーク”を機器本体、あるいはディスプレイに表示できるようにしている。

 だが、機器を製造するメーカーではない者が、それらの機器を分解、改造すると、技適から外れてしまう(電波法38条の7第4項)。さらにモバイルデータ通信、音声通話、Wi-Fi、Bluetoothといった無線機能を使うと、電波法違反に問われる可能性があるのだ。

 こうしたことなどを避けるべく、総務省は2015年4月に「登録修理業者制度」を施行した。総務省は技術基準に適合しているかどうかを修理業者自らが確認でき、登録基準に適合する場合には総務大臣の登録を受けることが可能になるという制度だ。

 なので利用者は修理サービスを提供している店が、総務省から認められているかどうかを確認する必要がある。見極めは難しい? そうでもない。総務省が認めた登録業者は登録修理業者リスト検索というWebページにて確認できるようになっているし、店側で登録業者である点を明示しているケースもある。

データは念のため初期化しよう
 修理業者の中には「データそのままでOK」という点を売りにしているところもあるが、自分の使っているiPhone、スマートフォンをいったん他人に預ける、ということに他ならないので、念のためデータのバックアップをした上で、初期化を行ってから修理業者に預けよう。

 バックアップはiPhoneを例に挙げると、以下の手順で行える。

1.設定→「自分の名前」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」の順に進む
2.「iCloudバックアップ」をオンにする
3.iPhoneが電源とWi-Fiに接続され、ロックされているときに、毎日iPhoneのバックアップがiCloudに自動作成される
 手動バックアップを実行するには、「今すぐバックアップ」をタップする。なお、iCloudに空き容量がなければ、別途月額料金を払って空き容量を確保するか、iPhoneの写真や動画をmicroSDカードに移行できるバックアップツール(市販のアクセサリ)を利用するといいだろう。

Apple正規サービスプロバイダかどうかも確認しよう
 Appleの修理規約によると、Appleが認定した正規修理業者以外の店に端末を預けて、万が一壊れた状態(部品破損など)で手元に戻ってきた場合、Appleによる補償はない。Apple正規サービスプロバイダと独立系修理プロバイダの違いはAppleの公式サイトから確認できるようになっている。Apple Care+に加入している人なら、この内容も留意しておく必要がある。

「スマホのバッテリー交換」を容易にする動きが進む それでもデメリットが消えない理由

EUにてスマートフォンのバッテリー交換規制が強化され、2027年にはバッテリーを容易に交換できる機種でないと、同地域では販売できなくなる見込みだ。これについてメーカー各社も既に手を打ち始めている。今回は最新の動向について追ってみよう。

現状の機種でも、交換用の工具を付属させれば規制はクリアできる
 現在報道されるEUのバッテリー交換規制は、従来の携帯電話のように「工具なしで交換」できる状態を強制するわけではない。工具なしでの交換方法以外に、市販の工具を用いて容易に交換できる構造にすること、市販の工具で修理できない場合は、専用の工具などの修理に必要な道具を部品とともに無償で提供することで規制をクリアできるとしている。

 例えば、バックパネルがプラスねじで固定されている構成の機種はもちろん、従来のiPhoneでもねじを外すための専用ドライバー、画面やバッテリーを固定する接着剤を溶かす薬品などを交換部品と一緒に付属する場合は、この規制をクリアできることとなる。

 もう1つがバッテリーを容易に交換可能とするため、その手順を容易にすることも規制に含まれている。どちらかといえば、メーカーとしてのハードウェア設計が問われるのはこちらだ。

 現状のスマートフォンのバッテリーを交換するにあたって難関なのが、バッテリーの交換時に取り外す「フレキシブルフラットケーブル(以下、FFC)」と呼ばれる細い配線や、粘着テープなどで強固に固定されたバッテリーだ。

 FFCは、各種センサーや本体下部の基板とメインボードを接続するのに利用されているケーブルのこと。これを分解するときに不用意に引っ掛けたり、無理やり外したりすると、断線やコネクターの破損によって故障の原因になる。バッテリーも事故防止のため、専用の粘着テープなどで強固に固定されており、これも無理に外そうとするとバッテリーが変形して思わぬ事故の原因になる。また、これらを処理する作業手順も増えることから、容易に交換する妨げとなっているのだ。

比較的修理しやすいiPhone、サムスンはGalaxy S23から新タイプのバッテリーを搭載
 EUの規制を見越してか、修理の難度には変化が生まれつつある。iFixitが公開しているiPhone 14のバッテリー交換手順を見ると、バックパネルを開けるとすぐバッテリーにアクセスできるようになっている。バッテリーの上にはFFCといったものは存在せず、ユーザーは比較的容易にバッテリーを交換できる。

 また、スマートフォンでは本体設計の関係で、画面側から分解してバッテリー交換を行う機種も多く、これらの環境では画面を外そうとした際に、画面側のケーブルやコネクターを破損させてしまう可能性が高い。そのような意味でも、バックパネル側からバッテリーの交換ができるiPhoneは「修理しやすい」機種といえる。

 Android端末ではサムスンのGalaxyが既に対応を進めている。2023年発売のGalaxy S23シリーズから新しいタイプのバッテリーが搭載されており、そのバッテリーにはタブのようなものがついている。このタブを引っ張ると容易にバッテリーが外せる仕組みだ。

バッテリー交換規制を求める背景は? 交換可能になることの懸念も
 最後にこの規制の背景と懸念点を考えてみる。スマートフォンを簡単に修理できるようにする取り組みについては、EU内ではドイツなどで根強い「修理する権利」が有名だ。メーカーで高額な修理費を払う以外の選択肢がないことに異を唱えるものであったが、この流れや各種環境意識の高まり、物価上昇の影響もあって消費者には「長く使えるスマートフォン」に関心が高まっていることは事実だ。

 その結果か、 Appleやサムスンをはじめ、今ではXiaomiも長期のソフトウェアアップデートをアピールする背景には、欧州地域の「長く使う」という意見が反映されているように考える。

 中でもフランスでは「修理可能性指数」の表示が、スマートフォンなどの製品に対して進められている。この指数は分解修理の難易度、修理用部品の入手性、供給期間の長さなどの要素を数値化し、最大10点の点数がつく。このスコアが高ければ修理しやすく、部品も入手しやすくなる。

 また、中古市場には品質の伴わない自己修理品が出回る可能性が高く、消費者が中古市場で購入するにはそれを見分ける「目利き」が必要になってくる可能性があるのだ。品質の劣る純正以外の部品はスマートフォン側で弾くことはできても、「純正品を用いた個人のDIY修理」となればスマホ側で検出することは難しい。そのような理由から自己修理における品質をチェックする方法の確立、中古品ではセルフリペアといったランク付けが必要になってくるのではないかと考えられる。

 消費者の環境意識の高まりから、バッテリー交換規制が必要になることは理解できるが、消費者が自己修理によって品質を担保できるかについては検討されていない。このような部分も手順の簡略化や素材の変更など、品質担保できる仕組みの構築でメーカー側も対応することになると考えるが、このようなコストは最終的に端末の価格や修理価格に返ってくることになる。あと4年間の猶予があるうちに、行政もメーカーもしっかり検討を行わねばならないと考える。

Androidスマホのアプリ起動が30%も高速化!最新のARTアップデートで

大半のAndroidスマートフォンのアプリの起動時間が、今後、大幅に高速化される模様です。

GoogleがAndroid Developers Blog上で明らかにしたもので、ARTのアップデートにより、アプリの起動時間の短縮、実行速度の向上、メモリ使用量の改善、より効率的なバイトコードのコンパイル、セキュリティの修正が行われるとのこと。

そして、ランタイムとコンパイラの最適化により、アプリの起動時間が「一部のデバイスで最大30%高速化」される模様です。

アンドロイド・ランタイム(ART)は、Androidオペレーティング・システム(OS)を支えるエンジンで、すべてのアプリとほとんどのOSサービスが依存するランタイムとコアAPIを提供しています。

アプリが起動に要する時間はしばしば端末性能の指標として使われることもあり、実使用における重要な要素でもあります。

そういった意味で、Androidスマホでアプリの起動時間が最大30%も高速化する、というのはかなり大きな進化と言えると思います。

なお、このARTのアップデートはAndroid 12以降のOSを搭載したモデルはすべて対象となるとのことで、今後、順次Googleシステムアップデートの一部として最新ARTが提供されるようです。

ただ、このARTのアップデートがどの時点のGoogleシステムアップデートに含まれることになるのかは明言されていませんが、少なくとも、Android 14には最新バージョンが内包されることとなりそうです。