5 使用するケーブルの種類を確認 最後に確認しておきたいのが、モバイルバッテリーと端末を接続するケーブルです。例えば、USB Power Deliveryを利用するなら、USB Power Deliveryに対応したUSB Type-Cケーブルを使う必要があります。 モバイルバッテリー購入後、ケーブルがないばかりに充電できないことがないよう、きちんと確認しておきましょう。
USB Type-Cとは? まずは、USB Type-Cについてご紹介します。USBは、Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)の略で、パソコンにプリンターやマウスなどの周辺機器を接続する規格のひとつです。それまで使われていた、SCSI(スカジー)やRS232Cなどの規格よりもデータ転送速度が高いことがメリットですが、大きく違う点として、USB規格は接続した周辺機器に電力を供給できることが挙げられます。
USB Type-Cは、USBの中でも新しいUSB 3.1に対応し、データの転送速度は最大10Gbpsとなっています。これまでのUSBコネクタは上下に区別があったため、接続時に間違えると差せませんでした。しかし、USB Type-Cでは、コネクタ部分の上下の区別をなくし、簡単に差し込めるよう改善されています。
さらに、USB Type-Cは「USB Power Delivery」に対応し、最大100Wの電力を供給できるようになっています。また、USB Power Deliveryは、5V、9V、15V、20Vの4つの電圧に対応していますので、スマートフォンはもちろんのこと、ノートパソコンなどへの電力供給も可能となっています。
USB Type-C規格のモバイルバッテリーは本当に優秀か? 前述したように、USB Type-Cという規格にはさまざまなメリットがあります。 ですが、これらはあくまで規格としてのメリットであり、モバイルバッテリーを使う場合のメリットとは限りません。 ここでは、USB Type-C規格を使ったモバイルバッテリーのメリット・デメリットをご紹介しましょう。
USB Type-C規格のモバイルバッテリーのメリット ・電力供給が早いので急速充電に向いている USB Type-CはUSB Power Deliveryに対応していますので、最大100Wの電力を供給できます。これまでのUSB規格では10W以下の電力しか供給できなかったことを考えると、各段に進歩しています。 ですから、スマートフォン本体がUSB Power Deliveryに対応しており、USB Type-C規格のモバイルバッテリーの供給電力が必要なワット数を満たしていれば、急速充電が可能となります。反対に規格としての条件がそろっていても、使用するモバイルバッテリー自体の供給電力が低ければ急速充電はできません。
USB Type-C規格のモバイルバッテリーのデメリット ・接続するケーブルが異なる USB Type-Cは汎用的な規格ですが、すべてのスマートフォンに採用されているわけではありません。例えばiPhoneであれば、Apple独自のLightning規格が使われていますし、AndroidであればUSB micro-Bが使われていることも多いでしょう。 iPhoneについているケーブルは、USBとLightningをつなぐケーブルです。ですが、このケーブルはUSB Type-AとLightningをつなぐケーブルのため、変換コネクタを使ってUSB Type-Cに接続させても、USB Power Deliveryに対応したケーブルのように100Wの電力を供給できるわけではありません。ですから、USB Type-C専用のケーブルを購入する必要があるのです。
Qi規格について Qiは「WPC(Wireless Power Consortium)」という団体が推進している、ワイヤレス充電の国際標準規格です。ワイヤレス充電の方式には、「電磁誘導方式」「磁界共鳴方式」「電界結合方式」「電波受信方式」の4つの方式があり、Qiは「電磁誘導方式」を利用した規格になります。