iPhoneを卓上時計代わりに使えますか? – いまさら聞けないiPhoneのなぜ

卓上時計といえば、現在時刻を表示する小型の置き時計。iPhoneにも現在時刻を表示する機能はありますが、ホーム画面左上のものは卓上時計というには小さすぎるし、ロック画面のものはすぐに消えてしまうので使い勝手に難があります。延々と現在時刻を表示するだけのシンプルな時計は、ありそうでなかった機能です。

iOS 17の新機能「スタンバイ」は、ロック状態のときiPhoneを横向きにすると作動する表示モードです。ここに時計やカレンダーを表示すれば、iPhoneがまるで卓上時計のように機能します。時計だけでなくウィジェットや写真も表示できるので、かつて流行した「デジタルフォトフレーム」のように使うことも可能です。

スタンバイは初期設定で有効化されているため、iOS 17にアップデートすればすぐに利用できます。使いかたはかんたん、充電中でロック画面が表示されているiPhoneを横向きに持ち変えればOK。 iPhoneを横に置いてデスクワークするときにぴったりの機能です。

最初に表示されるスタンバイモードの画面は、正方形のウィジェット2つが横に並んだものです(ウィジェットビュー)。時計ウィジェットには、米クパチーノなど東京以外の都市が設定されているかもしれないので、長押しすると現れる設定画面で「東京」に変更しておきましょう。

スタンバイモードには、計3つのビューが用意されています。写真ライブラリがランダムに表示される「写真ビュー」、アナログ時計や世界時計が表示される「時計ビュー」は、ウィジェットビューの画面を右方向へスワイプすると切り替えることができます。いずれもカスタマイズ可能ですから、好みのデザイン/コンテンツを選んでみては?

iPhoneを「シニア向けスマホ」にできるってホント!? – いまさら聞けないiPhoneのなぜ

アプリアイコンが大きい、文字が読みやすい、などシニア向けにデザインされたスマートフォンが存在します。しかしそのような端末は必ずといっていいほどAndroid、おなじみのiPhoneではありません。

iOS 17で導入された「アシスティブアクセス」は、iPhoneの操作体系をさらにシンプルにした特別な操作モードです。アプリアイコンが大きく、しかも選択したアプリ/機能に絞り表示できるため、機械の操作が苦手なシニアでも扱えるほど操作を単純化できます。

Appleによれば、アシスティブアクセスは「認知障がいを持つユーザが、写真を撮ったり、親しい家族や友達と連絡を取り合ったりするなどの日常的なタスクを支援する機能」とのことですが、シニア向けスマホモードとしても活用することは可能です。電話とカメラを使えればじゅうぶんという人には、電話アプリとカメラアプリだけを有効にすればいいのです。

アシスティブアクセスを有効にするには、「設定」→「アクセシビリティ」→「アシスティブアクセス」の順に画面を開き、「アシスティブアクセスを設定」をタップします。すると、利用するApple IDを確認したあと、表示スタイル(行/グリッド)の選択、登録するアプリ/機能の選定を行い、最後にアシスティブアクセスの動作を止めるときのパスコードを入力します。

アシスティブアクセスが有効な間は、登録したアプリしか利用できません。コントロールセンターや通知センターは表示されなくなり、ロック画面も現在時刻だけのシンプルなものに変更されてしまいます。設定アプリを登録していなければ、Wi-FiやBluetoothのオン/オフといった設定変更もできなくなります。iPhoneらしい操作性や便利機能は失われてしまいますが、必要な機能だけを迷わず使えるようにするには好都合な機能といえそうです。

「iOS 17.3」配信開始 「盗難デバイスの保護」など新機能も追加

Appleは1月22日(現地時間)、「iOS 17.3」を含む一連の製品のOSアップデートの配信を開始した。本稿ではiOS 17.3で提供される新機能とセキュリティ関連の更新を紹介する。

 なお、セキュリティ関連で古いiPhoneのOS(iOS 15.8.1、iOS 16.7.5)のアップデートも配信している。

「盗難デバイスの保護」
 新機能として、「盗難デバイスの保護」が追加された。登録してある自宅や職場、利用頻度の高い場所などから離れた場所での“一部の操作”で、Face IDまたはTouch IDによる生体認証が必要になる。

 これにより、iPhoneを盗まれ、パスコードも知られても、キーチェーンに保存したパスワードやパスキーを使われるなど、「アカウントやデバイスに致命的な変更を加えられる事態を阻止できる」としている。

 “一部の操作”は以下の通り。

  • キーチェーンに保存されているパスワードやパスキーを使う
  • Safariに保存されている支払い方法を使う(自動入力)
  • 紛失モードを解除する
  • すべてのコンテンツと設定を消去する
  • 新しいApple Cardを申し込む
  • Apple Cardの仮想カード番号を表示する
  • ウォレットで特定のApple CashとSavingsのアクション(送金など)を実行する

Apple Payでの購入は、パスコードだけで行える。

 「盗難デバイスの保護」を有効にした状態で自宅や職場から離れた場所で以下のような設定変更を行おうとすると、Face IDまたはTouch IDでの認証後、1時間の「セキュリティ遅延」が発生し、1時間後にまたFace IDまたはTouch IDで再認証する必要がある。

  • Apple IDのパスワードを変更する
  • Apple IDからサインアウトする
  • Apple IDアカウントのセキュリティ設定(信頼できるデバイス、復旧キー、復旧用連絡先など)を更新する
  • Face IDまたはTouch IDを追加または削除する
  • iPhoneのパスコードを変更する
  • すべての設定をリセットする
  • 「探す」をオフにする
  • 「盗難デバイスの保護」をオフにする

面倒そうではあるが、こうした操作を外出先で行うことはあまりないだろう。

 「盗難デバイスの保護」は初期設定では無効になっている。有効にするには、Apple IDで2ファクタ認証を使い、iPhoneでデバイスコード、Face ID、Touch ID、「探す」「利用頻度の高い場所」(位置情報サービス)を設定、有効化しておき、[設定]→[Face IDとパスコード]でパスコードを入力し、「盗難デバイスの保護」をタップし、オンに切り替える。

ミュージック
 プレイリストに友達を招待できるようになった。招待したメンバー全員が曲の追加、並べかえ、削除を行える。プレイリストのトラックに絵文字のリアクションを追加できる。

黒人歴史月間記念壁紙
 ロック画面に黒人歴史月間記念壁紙を追加。

改善点
 特定のホテルの客室のテレビにAirPlayでコンテンツを直接ストリーミングできるようになった。

 [設定]→[AppleCareと保証]に、自分のApple IDでサインインしているすべての端末の保証範囲を表示できるようになった。

 iPhone 14以降のモデルで、衝突事故検出の最適化を行った。

セキュリティ関連
 セキュリティ関連では16件の脆弱性が修正された。そのうち、WebKitの脆弱性は「この問題が悪用された可能性があるという報告を認識」しているとしている。

スマホのバッテリーを1分1秒でも持たせる方法 停電に備えて確認しておこう

1月1日16時過ぎに石川県で地震が発生した影響で、北陸地方の一部地域で停電が起きている。停電が起きるとスマートフォンを充電できなくなり、安否を確認したり、災害に関する情報を入手したりすることができなくなる。

 被災地域に居住している方は、今のうちにスマホやモバイルバッテリーを充電しておくことはもちろんだが、今後停電があった場合に備え、不要不急のスマホ利用は控え、少しでもバッテリーを長持ちさせる方法を覚えておきたい。

 まず基本となるのが、iPhoneとAndroidともに、端末に備わっている「低電力モード」や「省電力モード」などを利用することだ。機能名はメーカーによって異なるが、このモードをオンにすると、バックグラウンドでのアプリの動作をオフにして、無駄な電力消費を抑えてくれる。

 iPhoneの場合、「設定」→「バッテリー」から「低電力モード」をオンにできる。オンにすると、iCloud写真や自動ダウンロード、メールの取得、アプリのバックグラウンド更新などが制限される。低電力モードがオンになると、ステーターバーのバッテリーアイコンが黄色くなる。

 Androidの場合、Pixelでは「バッテリーセーバー」機能を利用でき、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーセーバー」からオンにできる。オンにすると、アプリのバックグラウンド更新が停止され、ダークモードが自動でオンになる。さらに、Pixel 3以降の機種では、より強固にバッテリー消費を抑える「スーパーバッテリーセーバー」も利用できる。この機能をオンにすると、ほぼ全てのアプリが一時停止し、処理速度も遅くなるが、電話やメッセージの送受信は可能だ。

 他のメーカー(現行機種)だと、Galaxyは「省電力モード」、AQUOSは「長エネスイッチ」、Xperiaは「STAMINAモード」、OPPOは「省エネモード」という名称で同様の設定を用意している。他の機種を使っている人も、「設定」→「バッテリー」などから同様の機能があるか、確認しておこう。

 なお、上記の低電力モードやバッテリーセーバー機能は、バックグラウンドでの電力消費を抑えることに主眼が置かれているので、必要に応じて、以下の設定も併用するようにしよう。

  • 画面の自動輝度調整をオフにして、輝度を下げる
  • 画面をダークモードに変更する
  • 画面の「自動ロック」をオンにする
  • 自動ロックするまでの時間を早くする(30秒など)
  • Wi-FiやBluetoothをオフにする
  • 位置情報の利用をオフにする

iOS 17の日記作成アプリ「ジャーナル」を使ってみた まだ機能は限定的?

Appleが12月12日に配信を開始したiOS 17.2には、「ジャーナル」という新アプリが追加されています。このジャーナル、簡単に言ってしまうと機械学習機能を利用し、入力をサポートする日記アプリです。

 日記というと縁遠いと感じてしまう人もいるかもしれませんが、そんなかしこまった使い方だけではなく、気軽に写真やメモを残せるメモアプリと捉えても問題はありません。

 今回は、そんなジャーナルアプリの使い方を簡単に説明します。

「メモ」アプリに比べると、できることは限られる
 iOS 17.2にアップデートすると、「ジャーナル」アプリがインストールされるので、それを立ち上げます。

 最初に立ち上げると、「ようこそジャーナルへ」の画面に続き、「ジャーナル記入の提案」が表示されます。これはiPhoneで撮影した写真やアクティビティーなどに応じて、AIがジャーナルへの記入内容を提案してくれるという機能です。この内容は、後から設定で変更できるので、それほど気にする必要はありません。

 後はジャーナルを記入するだけですが、「ジャーナル記入の提案」をオンにしていると、訪れた場所や、写真のメモリー、ヘルスケアに登録されたワークアウトの内容などが表示されるので、それを選ぶとジャーナルに挿入された形で書き始めることができます。

 旅行の思い出などを記録したい場合には便利かもしれません。

 ちなみに筆者の場合、普段iPhoneをメインでは使っておらず、iPhoneで写真を撮ることも少ないので、振り返り提案のみ表示されました。この場合も提案をタップすると、そのままジャーナルの記入画面に移行します。

 記入画面は標準アプリの「メモ」に近い雰囲気もありますが、メモと比べるとできることは限られています。写真を添付したり、音声で記録したりすることはできますが、太字などの装飾をしたり、箇条書きにしたり、表組を挿入したりといった機能はありません。

 また、少々意外だったのですが、現状では検索機能もありません。記載した内容(エントリー)は時系列で並ぶので、過去にさかのぼってエントリーを確認したい場合にはスクロールして戻るしかありません。ただ、右上のアイコンから「写真」や「振り返り」など特定の種類のエントリーのみを表示することはできます。

 まだ始まったばかりのアプリなので、今後ユーザーのエントリーが増えていくにつれ、検索機能や装飾機能なども追加されていくと期待したいところです。

決まった時間に通知を出し、習慣化に役立てられる
 日記は毎日書き続けるという習慣を身に付けるのが、なかなか難しいもの。ということで、ジャーナルには決まった時間に通知を出し、習慣化に役立てることができます。

 「設定 > ジャーナル > ジャーナル記入のスケジュール」を選択し、「スケジュールする」をオンにすると通知の送信タイミングを設定できます。

 また、設定で「ジャーナルをロック」をオンにすると、ジャーナルを開く際にFace IDやパスコードを要求することが可能です。通常、iPhoneをFace IDなどでロックしていれば盗み見られる心配をする必要はありませんが、一時的に友人や家族にロックを解除した状態でiPhoneを渡す場合などにも安心できます。

まだ機能は最低限、今後の展開に期待
 先にも書きましたが、まだ機能的には最低限といった感じなので、正直なところ、AI機能がどうこういった段階にはない気がします。ただ、新しい「Journaling Suggestions API」が追加されており、サードパーティーアプリの開発者は、各アプリからジャーナル記録のタイミングを提案できるとのこと。

 例えば、ショッピング系のアプリなら購入したタイミングで商品と金額、なぜ購入したのかの動機を記録することを提案したり、ゲームなら1日のプレイ時間や進捗(しんちょく)状況を記録したりといった使い方もできるかもしれません。

 今後、どのようなアプリがジャーナルを使っていくのかも楽しみなところです。

バッテリー切れから解放されるためには? スマホでやっておくべき設定

スマートフォンのバッテリー切れに襲われる。そんなピンチをだれもが迎えることだろう。どうすればそんな事態を防げるのかまとめた。

 昨今のスマートフォンは「リチウムイオンバッテリー」または「リチウムポリマーバッテリー」を採用したものが多い。いわゆる繰り返し充電に対応したもの。長時間の充電など、NG例は以前の記事でも伝えたが、こまめに充電して、バッテリーに負荷がかからない程度にしたい。

省電力モードなどを活用
 そこでまずオススメしたいのが、スマートフォンに備わる省電力モードや、エコモードに代表されるバッテリー消費を抑えながら起動できるモード。これはメーカーや機種によって定義や内容が異なるが、バッテリー消費を抑えるという点では共通している。

 iPhone(iOS 16.0)の場合は「設定」→「バッテリー」の順に押して、「低電力モード」をオンにする。このモードではiPhoneをフル充電にするまで、ダウンロードやメールなど、バックグラウンドでの動作を一時的に抑える。

 Xperia(1 IVやPRO-I)の場合は「設定」→「バッテリー」の順に押して、「STAMINAモードを使用」という項目をオンに切り替える。Xperiaでは「節電レベル」という項目が別途あり、電池持ちを優先するのか、バランス良く節電するのかを選べる。この節電レベルでは以下のような制限がかかる。

電池持ち優先→スクロールなど、操作全般の動作を制限。他にもデータ通信やメールなどの自動同期が一時的にストップする
バランス良く節電→データ通信ができない、もしくは自動同期ができない
 Pixel(7、7 Pro)では「バッテリーセーバー」という項目が用意されており、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーセーバー」の順に設定する。これをオンに切り替えると、ダークモードが有効になり、バックグラウンドでの動作、一部の視覚効果などか一時的に制限される。

 Galaxy(S22 Ultra/S22/S21など)は「設定」→「バッテリーとデバイスケア」→「バッテリー」の順に押し、「省電力モード」をオンに切り替える。

ディスプレイなどの設定を見直す
 スマートフォンの電力消費で最も気になるのがディスプレイ。ディスプレイで何かしらの情報を見ているときには常に点灯しているからだ。ディスプレイの輝度を下げたり、ダークモードを活用したりするのも省電力につながる。

 機種によっては個別に設定する必要があるが、Galaxyの省電力モードの中にはディスプレイの輝度を下げる項目が用意されている。端末に触れなくても、ロック画面に通知を表示し、常に情報を確認できる「Always On Display」をオフにすることも可能だ。Galaxyのメーカーであるサムスン電子はディスプレイメーカーだけあって、こうした設定項目をしっかりと用意している。

 ディスプレイやバックグラウンドの更新について、一括で設定したくない場合、省電力モードだけに頼らず、個別にディスプレイの輝度を下げたり、スリープまでの時間を短くしたり、常時点灯をオフにしたりするといいだろう。

スマホのバッテリー劣化の指標「充電サイクル500回」って結局どういうこと?

バッテリーが劣化するから、スマホの利用限度は2年程度」――こんな話を聞いたことはありませんか。これは、スマホの「充電サイクル」と「500回」という2つのワードが組み合わさって生まれた“通説”です。

 充電サイクルや使用回数、充電回数が500回であるということは、多くのモバイルバッテリー(スマホ内蔵バッテリー同様リチウムイオン電池を使用)の商品紹介サイトで説明されています。また、iPhoneを製造するAppleも公式サイトで「500回」という1つの指標を掲載しています。

 それでは、この「充電サイクル」とは何をカウントしているサイクルなのでしょうか。500回を超えてもバッテリーが劣化しないような使い方はあるのでしょうか。

電源に挿すことでカウントされない回数
 「充電サイクル」「充電回数」と聞いて、すぐに思い浮かべるのが、「充電した回数」つまり、電源に接続した回数です。例えば、以下のような考え方です。

スマホのバッテリー残量が50%程度になってしまったので、電源に接続した→1回
コンビニに出掛けるため、いったん電源から外し、帰宅してまた電源に接続した→1回
ゲームしやすいように電源から外し、イベントが終わったのでまた接続した→1回
 このような数え方をしていては、あっという間に上限の500に到達します。これでは、「今、つなげたばかりなんだから、抜かないでよ」と言いたくなってしまうのもやむを得ません。

 しかし、先ほどのAppleのサイトをもう一度よく読んでみると「フル充電サイクル」という表現を使っているのが分かります。なお、AppleがiPhoneバッテリーについて説明した別のページでは、「充電サイクル」という言葉で説明しているため、両者は同じだと考えられます。

 このフル充電サイクルまたは充電サイクルとは、合計で100%になる充電を行った回数または合計で100%放電させた回数のこと。

 例えば、1日目にiPhoneのバッテリーを65%消費し、その夜に充電を行って100%まで回復させました(65%を充電した)。2日目には35%しか使わず、その夜にまた100%まで充電させました(35%を充電した)。電源に接続した回数が2回ですし、100%まで充電した回数も2回ですが、充電(または放電した)した量の“合計”が100%になった、この2日間で1サイクルとしてカウントされたというわけです。

 なお、Appleでは、この充電サイクルを500回繰り返したとしてもiPhoneバッテリーの「本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計」しているとしています。これを下回るほど劣化しているのであれば買い替えを検討、もしくはバッテリー交換をした方がいいよいようです。

 というのも、内蔵バッテリーの劣化が著しいと、必要とする電力を供給しない可能性が生じ、その結果、部品保護のためiPhoneが強制的にシャットダウンし得るからです。使いたいときに使えないのであれば、元も子もありません。

スマホ内蔵のバッテリーを長持ちさせるためにできること
 スマホに搭載されているバッテリーも、モバイルバッテリーも、リチウムイオン電池を採用しているので、取り扱い方法や注意点にも共通点があります。

 例えば、モバイルバッテリーの多くは、本体を充電しながら給電しない(パススルー充電をしない)ように注意喚起されています。同じように、スマホも使いながらの充電は、バッテリーの劣化を早めてしまいます。「バッテリー残量が100%になっていないと!」と、つい考えてしまう筆者もやりがちなのですが、電源に接続した状態でスマホを利用するのは避けたいところです。使うときは使う、充電するときは充電する、とメリハリをつけた使いかたをしましょう。

 また、完全に放電、つまり0%になるまで使ってしまうと、これもまた劣化の原因となります。20%、あるいは機器によっては使用中に警告の出る15%まで残量が減ったところで、電源に接続するようにしましょう。

 さらに、ながら充電をしないことに似ていますが、常に100%になるまで充電するのではなく、80%程度になったところで電源から外すことも推奨されています。直射日光にさらされる場所、高温下や低温下に置くこともバッテリーの劣化を早める原因となってしまいます。

街のiPhone修理業者でバッテリーを交換する際の注意点

最近よく街で見かけるようになった「iPhone修理」「壊れたiPhone修理します」といった看板。いわゆる街の修理屋さんだ。具体的にはバッテリー交換の他に画面割れといった項目がサービスの内容となっている。中には即日修理とうたう店もあり、ユーザーからすればすぐに壊れたiPhoneを直してくれるのは魅力的だが、いくつか注意点があるので紹介する。

本当に法律に触れないの?
 まずは法律の問題だ。

 それは技適。技適は技術基準適合証明ともいわれるもので、この認可をスマートフォンをはじめとする通信機器メーカーが認可を取り、いわゆる“技適マーク”を機器本体、あるいはディスプレイに表示できるようにしている。

 だが、機器を製造するメーカーではない者が、それらの機器を分解、改造すると、技適から外れてしまう(電波法38条の7第4項)。さらにモバイルデータ通信、音声通話、Wi-Fi、Bluetoothといった無線機能を使うと、電波法違反に問われる可能性があるのだ。

 こうしたことなどを避けるべく、総務省は2015年4月に「登録修理業者制度」を施行した。総務省は技術基準に適合しているかどうかを修理業者自らが確認でき、登録基準に適合する場合には総務大臣の登録を受けることが可能になるという制度だ。

 なので利用者は修理サービスを提供している店が、総務省から認められているかどうかを確認する必要がある。見極めは難しい? そうでもない。総務省が認めた登録業者は登録修理業者リスト検索というWebページにて確認できるようになっているし、店側で登録業者である点を明示しているケースもある。

データは念のため初期化しよう
 修理業者の中には「データそのままでOK」という点を売りにしているところもあるが、自分の使っているiPhone、スマートフォンをいったん他人に預ける、ということに他ならないので、念のためデータのバックアップをした上で、初期化を行ってから修理業者に預けよう。

 バックアップはiPhoneを例に挙げると、以下の手順で行える。

1.設定→「自分の名前」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」の順に進む
2.「iCloudバックアップ」をオンにする
3.iPhoneが電源とWi-Fiに接続され、ロックされているときに、毎日iPhoneのバックアップがiCloudに自動作成される
 手動バックアップを実行するには、「今すぐバックアップ」をタップする。なお、iCloudに空き容量がなければ、別途月額料金を払って空き容量を確保するか、iPhoneの写真や動画をmicroSDカードに移行できるバックアップツール(市販のアクセサリ)を利用するといいだろう。

Apple正規サービスプロバイダかどうかも確認しよう
 Appleの修理規約によると、Appleが認定した正規修理業者以外の店に端末を預けて、万が一壊れた状態(部品破損など)で手元に戻ってきた場合、Appleによる補償はない。Apple正規サービスプロバイダと独立系修理プロバイダの違いはAppleの公式サイトから確認できるようになっている。Apple Care+に加入している人なら、この内容も留意しておく必要がある。

グーグルが新製品「Pixel 8シリーズ」を発表――早くも気になる廉価版「Pixel 8a」の存在

グーグルは10月12日、Pixel 8とPixel 8 Proを発売する。

 国内キャリアではNTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー、ソフトバンクが取り扱う。

 グーグルとしては今回からPixelを「AIスマホ」としてアピール。CMでは「ベストテイク」や「音声消しゴムマジック」を訴求している。この2つの機能が、結構、わかりやすくて面白い。静止画の「消しゴムマジック」もインパクトがあったが、音声消しゴムマジックはこれまでパソコンにデータを移してPremiere Proでノイズを消すといった編集作業が必要だったのをスマホ1台でできてしまうだけにAIのチカラを享受できるいい機能と言えそうだ(ただし、最新のTensor G3じゃないとできなのか、実は前モデルのTensor G2や他のAndroidでもできてしまうのかは謎)。

 Pixelが日本市場でここまでに存在感を出してきたのは、ひとつにはフワちゃんの功績があるだろう。CMで飛び回ってPixelの機能を紹介するだけでなく、地味ながら、テレビに出て自撮りをするときにはちゃんとPixelを使っている。Androidスマホのプロモーションを担当する有名人は結構、iPhoneを手放さなかったりするのだが(OPPO Renoシリーズを担当した指原莉乃も、プライベートではiPhoneを使いつつ「仕事用でOPPOを使えるようになってうれしい」とSNSに投稿)、フワちゃんはマジでPixelを使い倒しているようだ。

 もうひとつはn79に対応し、NTTドコモも取り扱えるようになったのは大きいだろう。いままではシャープやソニー製品は3キャリアで扱われるのが当たり前のようであったが、去年ぐらいから扱ったとしても「オンラインショップ限定」に留まっていたり、なかにはミドルクラスであっても取り扱わないキャリアも出てきた。もはや、ソニーとシャープが3キャリアで等しく使われること自体が珍しくなりつつある。

 そんななか、PixelシリーズはNTTドコモが扱い始めたことで、3キャリアがかなり力を入れて売るようになってきた。

 特にNTTドコモはOPPOXiaomiから距離を取っているだけに、Pixelには特に注力せざるを得ないはずだ。

 この先もPixel 8が売れそうな勢いであるが、個人的に気になったのが「結局、来年には安価なPixel 8aが出ちゃうんでしょ。買い控えられたりしないのか」という心配だ。そのあたりをグーグルの担当者にぶつけたところ「今回、発売するPixel 8とPixel 8 Proはパワフルだ」という回答しかせず、疑問には答えてくれなかった。

 グーグルの努力が実り、Pixelシリーズがさらに売れる感じがする一方、これまでAndroidエコシステムを支えてきたメーカーには逆風が吹き始めている感がある。グーグルが倒すのはアップルであり、Androidメーカーではない。Android全体が繁栄する施策がグーグルには求められている。

スマートフォンの充電でやってはいけないこと

毎日使うスマートフォン。その中にはバッテリーが内蔵されており、使ううちに劣化も進む。そこでどうすれば劣化を極力減らせるのか、やってはいけない充電方法をまとめた。

0%になってから充電してはいけない
 まずはバッテリーの寿命を延ばす方法から。どれくらいの頻度とタイミングで充電するのが望ましいのだろうか。バッテリーを使い切ってからの充電はバッテリーを劣化させる要因になるため、0%からではなく、20%から充電を始め、80%でストップするのがベスト。フル充電のままケーブルを接続した状態を保つのも、バッテリーの劣化につながる。

 iPhoneやXperiaではバッテリー残量が20%以下になると、「低電力モード」への設定を促すアラートや、自動で省電力モードへ切り替えてくれる機能を搭載している。その際、放置せずにそこから充電をすると良い。

 省電力モードは本来、機能の一部を制限したり、ディスプレイの輝度を下げたりして、バッテリー残量の少ないスマートフォンを動作できるようにするものだが、これを充電開始のアラート代わりに使うのもアリだろう。

ながら充電もNG
 ながら充電も劣化を早める一因。フル充電しているのにも関わらず、そのまま充電ケーブルをつないだまま、ゲームをしたり、WebサイトやSNSを閲覧したりする行為もよくない。これを習慣づけてしまうと、端末が発熱し、高い電圧にさらされる。極力控えるようにしたい。

湿気のある場所や布団などで充電することは危険
 やってはいけない充電方法として、よくいわれているのが風呂場などの湿気がある場所や、布団やマットレスの上などでの充電。

 特に湿気のある場所、水周りでの充電は発火事故につながる恐れがあり、電源のショートにもなりかねない。布団やマットレスで夜、充電しようとする人、実は多いのではなかろうか? これもNG例の1つ。熱が逃げづらくなり、バッテリー膨張や発熱につながる恐れがある。

バッテリーの最大容量チェックも忘れずに
 日頃使うスマートフォンのバッテリー最大容量がどれくらいなのか、チェックしておくのもいいだろう。これは単に残量という意味ではなく、最大容量が確認した時点でどれくらいなのか、つまり現在のバッテリーの消耗具合を示す目安を確認できる。

 Appleのサポートページによると、iPhoneの場合はフル充電サイクルを500回繰り返しても、本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計されているという。

 iPhoneで現在のバッテリーの消耗具合を確認するにはこの手順。「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」に表示される「最大容量」。購入時点では100%となっているが、使っていくうちに減少していく。