Android 14アプデ後のドコモスマホでバッテリー異常消費 原因は「my daiz」かも

ドコモの展開するAndroidスマホ向けAndroid 14アップデート。

大半の対象機種へのアップデート提供はすでに完了していますが、ここ最近、アップデートをしたユーザーより少し気になる報告が増えていることが判明しました。

Android 14へアップデートをしたドコモのスマホでバッテリー異常消費
具体的にはAndroid 14へのアップデート後から急にバッテリー以上消費をするようになった、という症状。

これはドコモのAndroidスマートフォンのみ、というのが特徴で、機種に関してはXperia、AQUOSなどが中心ですが、おそらくこれはユーザー数の問題。

一方、他のキャリアのモデルではAndroid 14アップデートでむしろバッテリー持ちに関しては「良くなった」という報告の方が多いので、なぜドコモ版でだけ、という感じです。

バッテリー以上消費の原因は「my daiz」アプリの可能性大
一方、ネット上の報告を見ていると、「my daiz」アプリがバッテリー使用量の多くを占めているケースが多く上がっていることが判明。

「my daiz」はドコモの純正アプリで同社いわく「日常のさまざまなシーンで利用者一人一人のライフスタイルに合った情報やサービスをお届けするスマホアプリ」。

しかし、使っているユーザーはかなり少ないようで、むしろ悪評の方が圧倒的に多い「迷惑純正アプリ」といったところ。

そして、Android 14アップデート後から何らかの理由でこの「my diaz」が暴走し、バッテリーを異常に消費しているという報告が目立ちます。

また、同アプリはアンインストールは不可ですが無効化は可能。
しかし、Android 14へアップデート後、無効化にしてたはずの同アプリが勝手に有効化され、バックグラウンドで動作をしていた、という報告も散見されます。

もちろん、バッテリードレインの原因というのは数多く考えられるので、これだけでが原因とは限りません。

ただ、ドコモスマホをお使いでAndroid 14アップデート後にバッテリー持ちが悪化した、という方は、とりあえずこの「my daiz」の設定を確認し、不要なアプリであればとりあえず無効化をして様子を見ることをお勧めします。

米国版「Pixel 8 Pro」が体温測定に対応、FDA認証も取得

Googleは、1月のアップデートで追加される「Feature Drop」と呼ばれる新機能のひとつとして、米国版の「Pixel 8 Pro」に体温測定機能を追加する。

Pixel 8 Proは2023年10月に発売されたGoogleのフラッグシップAndroidスマートフォン。下位モデルのPixel 8とは画面の大きさや望遠カメラの搭載などの違いがあるが、Proのみ新たに温度センサーを搭載したことも特徴だ。

Pixel 8 Proの温度センサーは本体背面のカメラバーに組み込まれており、対象物から5cm以内まで近付けると表面温度を非接触で測定できる。発売時点では簡易的な温度計アプリがプリインストールされている以外には、具体的な活用方法は示されていなかった。

今回発表された体温測定機能は側頭動脈を利用した計測方法で、こめかみ付近にPixel 8 Proのカメラ部分を近付けてスライドすると体温がわかる。36.1℃~40℃の範囲で±0.3℃以内の精度を実現しており、これは他の側頭動脈温度計と同等の精度だという。スマートフォン用の温度測定アプリとしては初めてアメリカ食品医薬品局(FDA)の認証を受け、正式に体温計として使えるものとなる。

開発にあたって、センサーの特性上なるべく測定対象に近付ける必要があるものの衛生上接触は避けたいということから、適切な距離・位置にかざしやすくするための工夫をしたという。カメラ用に搭載されているレーザー検出オートフォーカス(LDAF)センサーを活用して距離を把握し、バイブレーションと音声でガイドする。

iPhone 15用に「USB-C接続タイプイヤホン」を選びたいのですが? – いまさら聞けないiPhoneのなぜ

スマートフォンのお供といえば「イヤホン」。最近はBluetooth/ワイヤレスタイプ、特に左右ユニットをつなぐケーブルすらない完全ワイヤレスイヤホンが人気です。しかし、そのトレンドを安直にiPhone 15にあてはめていいものか、迷うのも無理はありません。

ズバリ、iPhone 15で使うイヤホンは「ワイヤレスタイプ」と「USB-C接続タイプ」の二択です。前者の場合、従来のiPhoneと条件面に変わりはありませんが、後者はiPhone 15の外部インターフェイスがUSB-Cに変更されたため、一新されています。

USB-C接続タイプのイヤホンは、USBケーブル経由でオーディオ信号と電力を伝送します。USB-C端子やイヤホンユニットに内蔵されているIC(DACチップ)でデジタルのオーディオ信号をアナログに変換、アンプ回路で増幅し振動板に伝えることで耳に聴こえる音となります。

このとき製品選びの参考となるのが「サンプリング周波数」です。音楽CDの水準(44.1kHz)がサポートされているのは当然として、96kHzや192kHzといったハイレゾ(高解像度オーディオ)に対応しているかどうかに、オーディオ機器としての性能が現れます。

なお、USB-C接続タイプのイヤホンはUSBオーディオ機器の一種で、ほぼ確実に「USB Audio Class」という標準規格に対応しています。同規格はiPhone/iOSのほかAndroid、WindowsやMacにもサポートされているため、iPhone 15対応と謳われていない製品でも基本的には動作します。

あとは、音質評価はどうか、デザインや色はどうか、アクティブノイズキャンセリング対応かどうか、といった基準で選べばOKです。取り回しに優れるワイヤレスイヤホンもいいですが、音途切れがなくUSB-Cポートに挿せば確実に使えるUSB-C接続タイプのイヤホンも使いやすいですよ。

スマホのバッテリー劣化の指標「充電サイクル500回」って結局どういうこと?

バッテリーが劣化するから、スマホの利用限度は2年程度」――こんな話を聞いたことはありませんか。これは、スマホの「充電サイクル」と「500回」という2つのワードが組み合わさって生まれた“通説”です。

 充電サイクルや使用回数、充電回数が500回であるということは、多くのモバイルバッテリー(スマホ内蔵バッテリー同様リチウムイオン電池を使用)の商品紹介サイトで説明されています。また、iPhoneを製造するAppleも公式サイトで「500回」という1つの指標を掲載しています。

 それでは、この「充電サイクル」とは何をカウントしているサイクルなのでしょうか。500回を超えてもバッテリーが劣化しないような使い方はあるのでしょうか。

電源に挿すことでカウントされない回数
 「充電サイクル」「充電回数」と聞いて、すぐに思い浮かべるのが、「充電した回数」つまり、電源に接続した回数です。例えば、以下のような考え方です。

スマホのバッテリー残量が50%程度になってしまったので、電源に接続した→1回
コンビニに出掛けるため、いったん電源から外し、帰宅してまた電源に接続した→1回
ゲームしやすいように電源から外し、イベントが終わったのでまた接続した→1回
 このような数え方をしていては、あっという間に上限の500に到達します。これでは、「今、つなげたばかりなんだから、抜かないでよ」と言いたくなってしまうのもやむを得ません。

 しかし、先ほどのAppleのサイトをもう一度よく読んでみると「フル充電サイクル」という表現を使っているのが分かります。なお、AppleがiPhoneバッテリーについて説明した別のページでは、「充電サイクル」という言葉で説明しているため、両者は同じだと考えられます。

 このフル充電サイクルまたは充電サイクルとは、合計で100%になる充電を行った回数または合計で100%放電させた回数のこと。

 例えば、1日目にiPhoneのバッテリーを65%消費し、その夜に充電を行って100%まで回復させました(65%を充電した)。2日目には35%しか使わず、その夜にまた100%まで充電させました(35%を充電した)。電源に接続した回数が2回ですし、100%まで充電した回数も2回ですが、充電(または放電した)した量の“合計”が100%になった、この2日間で1サイクルとしてカウントされたというわけです。

 なお、Appleでは、この充電サイクルを500回繰り返したとしてもiPhoneバッテリーの「本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計」しているとしています。これを下回るほど劣化しているのであれば買い替えを検討、もしくはバッテリー交換をした方がいいよいようです。

 というのも、内蔵バッテリーの劣化が著しいと、必要とする電力を供給しない可能性が生じ、その結果、部品保護のためiPhoneが強制的にシャットダウンし得るからです。使いたいときに使えないのであれば、元も子もありません。

スマホ内蔵のバッテリーを長持ちさせるためにできること
 スマホに搭載されているバッテリーも、モバイルバッテリーも、リチウムイオン電池を採用しているので、取り扱い方法や注意点にも共通点があります。

 例えば、モバイルバッテリーの多くは、本体を充電しながら給電しない(パススルー充電をしない)ように注意喚起されています。同じように、スマホも使いながらの充電は、バッテリーの劣化を早めてしまいます。「バッテリー残量が100%になっていないと!」と、つい考えてしまう筆者もやりがちなのですが、電源に接続した状態でスマホを利用するのは避けたいところです。使うときは使う、充電するときは充電する、とメリハリをつけた使いかたをしましょう。

 また、完全に放電、つまり0%になるまで使ってしまうと、これもまた劣化の原因となります。20%、あるいは機器によっては使用中に警告の出る15%まで残量が減ったところで、電源に接続するようにしましょう。

 さらに、ながら充電をしないことに似ていますが、常に100%になるまで充電するのではなく、80%程度になったところで電源から外すことも推奨されています。直射日光にさらされる場所、高温下や低温下に置くこともバッテリーの劣化を早める原因となってしまいます。

バッテリー劣化を抑える各社の取り組み
 私たちにできることがあるとはいえ、メーカー側もユーザーに任せっきりというわけではありません。

 例えば、先ほどから引き合いに出しているiPhoneでは、バッテリー容量の80%までを高速充電し、そこから100%まではバッテリーへの電流を弱めることでバッテリーへの負荷を軽減する工夫をしています。そのため、フル充電サイクル500回を経ても、本来のバッテリー容量の80%を維持することができています。

 Androidスマホとしてシェアの高いシャープ製「AQUOS」シリーズやソニー製「Xperia」シリーズではどうでしょうか。

 AQUOSには「インテリジェントチャージ」機能が搭載されおり、ながら充電をしていてもバッテリーの劣化を抑えられるとしています。また、そもそも大容量のバッテリーを搭載しており、電池持ちがいいため充電回数が少なくて済むという側面もあります。実際、筆者もAQUOS sense 5Gを持っていますが、ほとんど使っていないため、1週間に1度という頻度でも十分にバッテリー残量に余裕のある状態です。

 Xperiaには「いたわり充電」機能があり、電源に長時間接続しているパターンを学習していたわり充電の時間を自動的に設定。設定された時間内は充電量を90%に抑えることで、バッテリーへの負荷を抑えています。時間は、仕事中、就寝中など手動設定もOK。その他、「常時」を選べば80~90%に制限できます。

 かんたんスマホ、あんしんスマホ、DIGNOシリーズなどを手掛ける京セラでは、バッテリーの寿命を伸ばすための「バッテリーケアモード」を用意。これをONにしておけば、85%で充電が止まるようになります。

 いずれにせよ、バッテリーは経年劣化するものであり、そのうち寿命を迎える部品の1つ。できるだけいたわりながら使うことで、スマホそのものを長く使えるようにしたいものです。

iPhoneを卓上時計代わりに使えますか? – いまさら聞けないiPhoneのなぜ

卓上時計といえば、現在時刻を表示する小型の置き時計。iPhoneにも現在時刻を表示する機能はありますが、ホーム画面左上のものは卓上時計というには小さすぎるし、ロック画面のものはすぐに消えてしまうので使い勝手に難があります。延々と現在時刻を表示するだけのシンプルな時計は、ありそうでなかった機能です。

iOS 17の新機能「スタンバイ」は、ロック状態のときiPhoneを横向きにすると作動する表示モードです。ここに時計やカレンダーを表示すれば、iPhoneがまるで卓上時計のように機能します。時計だけでなくウィジェットや写真も表示できるので、かつて流行した「デジタルフォトフレーム」のように使うことも可能です。

スタンバイは初期設定で有効化されているため、iOS 17にアップデートすればすぐに利用できます。使いかたはかんたん、充電中でロック画面が表示されているiPhoneを横向きに持ち変えればOK。 iPhoneを横に置いてデスクワークするときにぴったりの機能です。

最初に表示されるスタンバイモードの画面は、正方形のウィジェット2つが横に並んだものです(ウィジェットビュー)。時計ウィジェットには、米クパチーノなど東京以外の都市が設定されているかもしれないので、長押しすると現れる設定画面で「東京」に変更しておきましょう。

スタンバイモードには、計3つのビューが用意されています。写真ライブラリがランダムに表示される「写真ビュー」、アナログ時計や世界時計が表示される「時計ビュー」は、ウィジェットビューの画面を右方向へスワイプすると切り替えることができます。いずれもカスタマイズ可能ですから、好みのデザイン/コンテンツを選んでみては?

iPhoneを「シニア向けスマホ」にできるってホント!? – いまさら聞けないiPhoneのなぜ

アプリアイコンが大きい、文字が読みやすい、などシニア向けにデザインされたスマートフォンが存在します。しかしそのような端末は必ずといっていいほどAndroid、おなじみのiPhoneではありません。

iOS 17で導入された「アシスティブアクセス」は、iPhoneの操作体系をさらにシンプルにした特別な操作モードです。アプリアイコンが大きく、しかも選択したアプリ/機能に絞り表示できるため、機械の操作が苦手なシニアでも扱えるほど操作を単純化できます。

Appleによれば、アシスティブアクセスは「認知障がいを持つユーザが、写真を撮ったり、親しい家族や友達と連絡を取り合ったりするなどの日常的なタスクを支援する機能」とのことですが、シニア向けスマホモードとしても活用することは可能です。電話とカメラを使えればじゅうぶんという人には、電話アプリとカメラアプリだけを有効にすればいいのです。

アシスティブアクセスを有効にするには、「設定」→「アクセシビリティ」→「アシスティブアクセス」の順に画面を開き、「アシスティブアクセスを設定」をタップします。すると、利用するApple IDを確認したあと、表示スタイル(行/グリッド)の選択、登録するアプリ/機能の選定を行い、最後にアシスティブアクセスの動作を止めるときのパスコードを入力します。

アシスティブアクセスが有効な間は、登録したアプリしか利用できません。コントロールセンターや通知センターは表示されなくなり、ロック画面も現在時刻だけのシンプルなものに変更されてしまいます。設定アプリを登録していなければ、Wi-FiやBluetoothのオン/オフといった設定変更もできなくなります。iPhoneらしい操作性や便利機能は失われてしまいますが、必要な機能だけを迷わず使えるようにするには好都合な機能といえそうです。

次世代ワイヤレス充電規格「Qi2」はコアにMagSafeの技術、2023年末に対応製品

スマートフォンなどを対象としたワイヤレス充電規格「Qi」の国際標準化を推進する業界団体WPC(Wireless Power Consortium)は1月3日(米国時間)、2023年にQi仕様の次期バージョン「Qi2」(発音は”chee two”)を発表することを明らかにした。Appleの「MagSafe」の技術を採り入れて、より安定して効率的なワイヤレス充電を実現する。今年のホリデーシーズンにQi2認証を受けた携帯電話や充電器が登場し始める見通し。

独自規格が林立していたワイヤレス充電の問題を解消するために2008年にWPCが立ち上げられ、挿せば充電できるUSB充電のように相互利用が可能なワイヤレス充電標準の実現を目指して「Qi」が策定された。当初は最大5Wだったが、2015年に最大15Wの供給に対応。Andoridスマートフォンから普及が進み、2017年の「iPhone 8」でiPhoneもQiに対応した。

ワイヤレス充電は充電器に置くだけの手軽な充電を可能にするが、位置ずれの影響を受けやすい。充電位置がずれると充電速度が遅くなったり、充電に失敗することもある。そこでAppleは2020年にiPhone 12/12 ProシリーズにMagSafeを搭載した。マグネットを用いて充電ケーブルや充電器とiPhoneの充電位置を合わせて固定することで、非接触の手軽さと位置ずれのない安定して高速な充電を実現した。

WPCによると、Appleが同社のMagSafeテクノロジーをベースに構築した技術基盤を提供し、他の加盟企業とともにQi2の核となる新しい「Magnetic Power Profile」を開発した。Qi2をサポートするAndroidスマートフォンで既存のMagSafe対応アクセサリーを使用できるようになるかは現段階で不明だが、MagSafeがiPhoneユーザーにもたらした快適なワイヤレス充電体験を幅広いモバイル機器の間で相互利用できる環境が実現しそうだ。

WPCによると、Qi2によって位置ずれに起因するエネルギーのロスを低減できるようになり、効率性が向上し、不安定な接続によるバッテリーの消耗も避けられる。一部の機器ではより高速な充電が可能になるという。また、安定して充電できる平面が必要な今日の規格では実現できない新しいアクセサリーが可能になり、ワイヤレス充電市場のさらなる拡大が期待できる。抜き挿しの際に端子やコードにストレスがかかる有線接続に比べてワイヤレス充電の機器は長持ちし、有線からワイヤレスへの移行を促す新規格の登場は電子廃棄物の削減にもつながるとしている。

スマートフォン年間出荷台数、Samsungが13年ぶり首位陥落、Appleが初のトップ

IDCの調査によると、世界のスマートフォン出荷台数で2023年にAppleがSamsungを上回り、初めて年間トップに立った。前回、Mobile Phone TrackerでSamsung以外の企業が年間首位になったのは2010年で、その時の1位はNokiaだった。

2023年のスマートフォンの出荷台数(暫定値)は11億6690万台で、前年比3.2%減だった。これは過去10年で最低の水準だ。世界的なインフレ、マクロ経済の減速を背景に、スマートフォンの買い替えに消費者が消極的になり成長が低下した。

メーカー別ではAppleが前年比3.7%増の2億3460万台、シェアは過去最高の20.1%だった。2位のSamsungは同13.6%減の2億2660万台でシェアは19.4%。Xiaomiが3位で出荷台数は1億4590万台(同4.7%減)だった。

IDC、2023年の世界スマートフォン出荷台数とシェア(暫定値、出荷台数の単位:100万)

Appleは上位3メーカーの中で唯一プラス成長を継続している。買い替えサイクルが長期化する一方で、プレミアム・デバイスが市場の20%を占め、さらに増加傾向にある。ハイエンド帯でiPhone人気は高く、下取りや無利子・分割払いなど顧客の買い替えを支援する充実したプログラムがAppleの強みになっているとIDCのナビエラ・ポパル氏は指摘している。調査結果は暫定値であり、「変更される可能性がある」としているが、1月16日にCanalysが公表したスマートフォン出荷台数調査結果でも、通年でAppleがトップとなっている。

Samsungの首位陥落について、ポパル氏はAndroidスマートフォン市場の多様化の影響を原因の1つに挙げている。2023年後半にTranssionとXiaomiの廉価帯製品が新興市場で大きく伸びた。また、制裁の影響を受けていたHuaweiが中国市場で競争力を高めており、ハイエンドの低価格帯でOnePlus、Honor、Googleが存在感を増している。

2023年は前年比3.2%減だったが、最後の第4四半期(10〜12月期)の出荷台数は3億2610万台で前年同期比8.5%増だった。近年の低迷から回復する兆しが見える。Androidプラットフォームを支えるGoogleが「Pixel Fold」を追加するなどフォルダブルが定着しており、さらに生成AIブームからスマートフォンのAI機能が注目を集め始めている。「全体として、スマートフォン分野は非常に興味深い時代に向かっている」とポペル氏は述べる。

IDC、2023年10〜12月期の世界スマートフォン出荷台数とシェア(暫定値、出荷台数の単位:100万)

XperiaでAndroid 14アプデ後にカメラが起動しないトラブルと対処法

Xperiaスマートフォン向けのAndroid 14アップデート。
海外ではすでにXperia IVシリーズにも提供が開始されています。

一方、1/16時点で国内で提供済みなのは楽天モバイル版のXperia 5 VとXperia 10 Vのみですが、早ければ今週中にも他のキャリア版やSIMフリー版へのアップデートも開始されそうな雰囲気です。

そんな中、このAndroid 14バージョンアップをしたXperiaユーザーよりカメラが起動しないという不具合が複数上がっていることが判明しました。

Reddit上で報告が上がっているもので、具体的にはAndroid 14アップデート後のXperia 1 Vでカメラを起動しようとすると上のようなエラーメッセージが表示され、カメラが使えないというもの。

Xperiaでは(特にSD8Gen1搭載機)では過度な発熱などで一時的にカメラが使えなくなる、という報告はよく見かけますが、今回の症状はこれとは無関係な模様。

また、同様の症状はAndroid 14アップデートをした他のXperiaでも発生している模様です。

Android 14アプデでカメラが起動しなくなった場合の対処法
ただ幸い、この問題には改善・対処法がある模様:

「設定」→「開発者向けオプション」→ 「クイック設定開発者用タイル」
「センサーがオフ」のトグルをオン(有効)に(つまりセンサーをオフにする、ということ)
要はアップデートの何らかのプロセスにより、もともと「オン(有効)」だった「カメラセンサーOFF」の項目が勝手にオフになってしまっていることが原因のようです。

ただ、特に広範囲に発生しているという感じでもないので、おそらくアップデート前の何らかの設定や環境に依存した問題である可能性が高そう。

いずれにせよ、自己解決できる問題なようなので、すでにAndroid 14アップデート済み、あるいはこれからアップデートをする方でこのカメラが起動しないというトラブルが発生した場合はまずこの設定をチェックしてみましょう。

AppleがiPhoneの「RCS」採用を決めたワケ それでも“フキダシの色”は変わらない?

以前から、GoogleがAppleに対して導入を呼び掛けていたRCSに関して、Appleは2024年後半にサポートする方針を明らかにしました。RCSの採用が実現すれば、AndroidとiPhoneユーザー間でも、これまで以上に気軽に画像の送受信などが行えるようになります。

 RCS(Rich Communication Services)は、SMSやMMSに代わる高機能なメッセージングサービス。従来よりも大きな添付ファイルを送ることができる他、グループチャットなどにも対応します。当初は特定の通信キャリア間でしか利用できませんでしたが、現在はAndroid標準のメッセージアプリがRCSをサポートするなど、利用できる場所が増えています。なお、日本ではAndroidのメッセージを使えば、キャリアに関係なくRCSを利用できるほか、ドコモ、au、ソフトバンクが共同で「+メッセージ」を提供。楽天もRakuten LinkでRCSをサポートしています。

 これまでAppleはRCSをサポートしておらず、Appleデバイス同士ではiMessageにより実現していました。iMessage自体、SMSやMMSも利用できますが、AndroidなどAppleデバイス以外との通信時にはSMSやMMSになってしまい、送れるファイルに制限がかかったり、エンドツーエンドの暗号化が行われなかったりといった弊害があります。1対1の通信であれば、そういうものだと割り切ってしまうこともできますが、グループチャットを行う場合、1人でもAndroidが混ざっていると、全員に制限がかかってしまいます。

 また、iMessage同士のやりとりは青い吹き出しで表示され、制限のかかるAndroidなど他のデバイスとのやりとりは緑の吹き出しで表示される仕様です。日本ではLINEやSNSのDMでのやりとりが主流になっているためか、ほとんど問題になることがありませんが、米国のティーンの間では、(機能が制限される)緑の吹き出しはダサいとされ、疎外感を味わったりいじめの対象になったりするなど、いわゆる「グリーンバブル問題」も発生しています。

 こうしたこともあり、Googleは以前からAppleに対してRCSの採用を呼び掛けており、2022年には専用キャンペーンサイトを公開していました。

 また直近では、2023年11月にNothingがAndroid上からiMessageを利用できる「Nothing Chat」をリリース。12月には同じくAndroidからiMessageとやりとりできる「Beeper Mini」が公開されています。

 Beeper Miniの開発元であるBeeperは、AndroidとiPhoneのメッセージのやりとりは、暗号化されないSMSになってしまい安全性が低下していると、アプリリリースの正当性を訴えています。

 現状、iMessageとそれ以外のやりとり(SMS/MMS)では大容量のファイルが送れない、暗号化されないなどの制限がかかってしまいますが、RCS同士であれば大容量ファイルの送受信や暗号化も対応済み。AppleがRCSを採用するのであれば、少なくとも原因の1つである暗号化を含む機能制限に関してはクリアされるはずです。

 ただ、Appleがメディア向けに発表した内容では、「RCSユニバーサルプロファイルは、SMSやMMSと比較してより優れた相互運用性を提供できると考えています。これはiMessageと並行して機能するもので、Appleユーザーにとって引き続き最適かつ最も安全なメッセージング体験となります」としており、RCSサポート後もiMessageは継続する意向です。要するに、SMS/MMSはRCS対応となりますが、iPhone同士であれば従来通りiMessageが利用されます。

 もともとiMessageの吹き出しの色分けは、暗号化されているかどうかが一目で分かるようにとの意味合いがありました。RCS採用によって暗号化通信が行えるようになるのなら、iMessage以外とのやりとりでも青い吹き出しで表示して構わないのではと思いますが、AppleのことなのでiMessageとそれ以外を明確に区別するため、色分けは継続する可能性がありそうです。

 RCS採用は2024年後半ということなので、恐らくは次期iOS 18での対応となるのでしょう。

 Appleのティム・クック氏は「RCSに関してユーザーからの強い要望は出ていない」とRCS採用に否定的な立場でしたが、ここにきてRCS採用に動いたのは、EUのデジタル市場法(DMA)の影響がありそうです。

 EUは2023年9月、独占的なデジタルプラットフォームを運営する「ゲートキーパー」としてAppleやGoogleを含む6社を指定していしました。ゲートキーパーとして指定された企業は、2024年3月までにDMAに基づく義務を順守し、解決策の詳細を記載した順守報告書を提出しなければなりません。Appleが独占的なプラットフォームとして指定されたのは「App Store」「Safari」「iOS」のみですが、iMessageについても規制対象とするか継続調査が行われています。

 AppleがこのタイミングでiMessageでのRCSサポートを発表したのは、Googleらの呼びかけが功を奏したというよりも、iMessageが独占的プラットフォームとして指定されるのを避けるのが狙いだったのかもしれません。ただAppleの思惑はどうあれ、ユーザーにとっては便利になるのは間違いないでしょう。